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邂逅編 1-9
そうこうしていると、気づけば近鉄の駅前まで来ていた。
堀内の方はどうやらJRで通学しているらしく、ここでお別れである。
「じゃあ、俺はここで。」
「うん! 今日はありがと! また明日、学校でね!」
そう言うと彼女は大きく手を振った後JRの駅の方へと向かっていった。
俺はそれを見届けた後、さっきの言葉を思い返していた。
「また、明日か・・・」
きっと明日になったとしても、特にこれといって俺の日常は変わらず、またいつものように一人勉強をしているだろう。むしろ今日みたいに学校で誰かと放課後を過ごして、一緒に帰るなんてことの方が稀なケースだ。だから何だというのか、学校は勉強をするための場所だ。青春を謳歌するやつよりもコツコツと真面目に勉強してるやつのほうが正しいに決まってる。だから明日も昨日のように勉強すれば問題無いさ。
俺はそう気持ちを切り替えつつ、改札口のゲートを潜った。