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幼少期①

程なくして目を覚ました私は、今のこの状況と情報整理をするために部屋に引き籠もり、

1人机に向かって頭を悩ませていた。



もちろんお医者様の診察をしっかりと受けたうえで、

「暫くは安静に」との事だったので、

メイドたちにも下がってもらい部屋で一人、療養中だ。




そう、部屋には誰もいない。




「さて、とりあえずこれはいったいどうなってるんだろう?」

目の前には紙とペン。情報整理するには書き出すのが一番!ってね。



木から落ちる時に見た走馬灯。

その中にいたとある人物。


今とは見た目も年齢も違うが、

あれはユリスティアとして生まれる前の前世の私だろう。



おかしなことを言っているかもしれないが、あれは確かに“私”だ。



小さな手のひらを見つめながら自分の感情と、記憶を整理していく。



前世の私は日本という国で暮らしている、至って普通の一般家庭で育った3人兄妹の末っ子。

その場のノリや相手に合わせて話をするのが得意だったので、

アパレル店員として接客業を楽しみながら働いていた。


正直、どのように前世での人生が終わったのかははっきりとは思い出せない。

しかしそれなりにいい歳したアラサーだったことは確か。。。



うん、そこは自信持てるぞ。



「でも・・・なんだろう、この感じ・・・」


偶然記憶を持って生まれてきたにしては何か違和感を感じてしまう。



思い出した記憶の中に、今世での私の名前を口にしている人の姿が一瞬見えたのだ。


「前世の私はユリスティアを知ってるってこと・・・?」




前世の日本という国と今世のこの国は、色というか作りというか、、とにかく雰囲気がまるで違う。


今世はどちらかと言うと、前世でいうヨーロッパに近い気がする。

しかも貴族社会、うーん、中世あたり?


確かに海外旅行でヨーロッパに行ったことはあるが、そんなに英語が喋れなかった私は現地の人と会話なんてハイレベルな事出来るはずがない。




何だか嫌な予感がする。。




違和感はそこだけでは無い。

何故前世の名前ではなく、今世の名前で呼ばれてるのか。


相手は私を真っすぐ見据えて話しているが、当の対面している私はどこか第三者の目線で聞いている感じがする。




「とにかく情報が足りなすぎる。集めないと」


新しい情報が入ればまた何か明確に思い出せるかもしれない。



私は前世の文字で書きだした記憶を鍵付きの引き出しに隠し、廊下で待機していたメイドの1人に話を聞くことにした。


「!? っティア様!!起き上がられて大丈夫なのですか?」



「エマ!うん、大丈夫!

 ねぇ、ちょっと色々聞きたいことあるんだけど、いいかな?」



エマはユリスティアの専属メイドである。



「ふふっ、寝ぼけていらっしゃるのですか?珍しくお言葉が崩れていますよ」



あ、やばい。お嬢様言葉を忘れてた・・・前世の記憶が戻った故の障害ね。気を付けないと。



やばいと焦る私を見て、

ユリスティアの可愛らしい一面を見れたと、嬉しそうにクスクス笑うエマに

なんとも表現しがたい感情が生まれてくる。。


エマからしたらユリスティアはまだ小さな幼い女の子。

しかし今の私からしたらエマもまた幼さが残る、可愛い女の子だ。



そんな女の子にクスクス笑われるのはなんともむず痒い。


エマは苦い顔をして考え込む私を見て、恥ずかしくて照れていると判断したらしい。


ちょっと違う気もするがあながち間違いでもない。


「ところで、聞きたいことがあるとおっしゃっていましたね。 

 私で答えられることでしたらなんなりと」


それと無く話題を変えてくれたので、その優しさに有難く乗っかることにした。


「あのね、実は…「ユリスティアお嬢様、お客様がいらしております」


バタバタと駆け足で伝えに来るメイドを見ると、相手が身分の高い人だと言うことは想像がつく。


「あら、いったいどちら様がいらしたのですか?」



メイドが来客名を告げようとしたところで、後ろから2つの声が聞こえてきた。





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