とても残念な土曜日の朝
初小説、初投稿です。
ゆっくり更新していきます。
ちゃぷ………
――――ここは、どこ?
とぷん………
――――そうだ、わたしは……!
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ぱちっ
朝。
まぶしい光がカーテンの隙間から漏れてくる。
昨夜の私はちゃんとカーテンを閉めなかったらしい。窓辺にベッドを置いたせいで、朝日が丁度私の目を直撃するのだ。それが嫌でわざわざ初任給で遮光カーテンを買ったというのに…これじゃあ全く意味がない。
私はため息をついて、まるでビームのように射し込んでくる光をカーテンで遮った。シャッ!というカーテンレールの音と共に、部屋に薄暗さが戻った。
「あーーー、せっかくの休みなのに目ぇ覚めちゃったわ…」
ぶつくさと悪態をつきながらのろのろと体を起こす。
昨日は魔の金曜日。皆が定時で帰るなか、何故か私だけ仕事が終わらず、とうとう深夜まで残業する羽目になったのだ。
会社勤めなら一人はいるのではないだろうか。なぜか上司や同僚から仕事を振られる平社員。「残業時間がもうないんだ。これ、今日までにやらなくちゃいけなくて。悪いんだけど…宜しくね!」そう言われてしまえば断れない。なぜだか知らないが、そういう時に限って、自分の残業時間はまだ余裕があるし、これといった予定もない。
「残業時間は残ってますしー?彼氏もいませんしー?残業代は出ますしー?」
だからまぁ、別に不満ではない。ただ、残業時間が無い事を免罪符にしてるのがモヤモヤするだけで。作業効率が悪いのを改善しようともせず、残業してその日の業務を終わらせてるから、緊急の案件に対して対応しきれなくなるのだ。それで残業時間が残ってる私に「お前残業時間残ってていいよな」みたいな目を向けるのはやめて欲しい。
ちなみに彼氏は去年まではいた。決して喪女とかそういうのではない。決してない。
段々愚痴と化してきた思考を今朝の朝食へと切り替える。冷蔵庫に卵とウインナーがあったはず。それから食パンも残ってたから、コーヒーもつけてモーニングっぽくしよう。
そう思って薄暗い部屋の中をキッチンへと進む途中…
「ぁうわぁっ!!!?」
何かを踏んでそのままバランスを崩した私は後ろに倒れ、不運にもテーブルの角に後頭部を強打して意識を失ったのだった…。
残念な死因は次回…。