表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スター・デイズ  作者: 浦坂茉空
2/3

sweet paint

入学式の翌日……

早速回る部活決めなくては……

取り敢えず外に出るために着替えようとした矢先、とあることに気づいた。

出掛ける用の服ほとんど出してない!ということに。

というわけで、パーカーをジーパンという恰好になった。

さて、早く出掛けないと……

まずは、どこからいこうかな……

「美術系部活動から見ていこうかな……」

早速美術部へ行ってみる。

朝日が差す美術室には昨日あったばかりの美銀先輩がいた。

「おはようございます、美銀先輩」

挨拶をしただけなのだが、驚いたように振り向き目を大きくする。

「お、おはよう星文君……え、えっと……部活の見学をしているの?」


「はい。一ヶ月以内には決めないといけないので」


「な、なるほど……そうなんだ……大変だね……」


「あれ?見かけない顔だけど君は新入生かな?」

振り返ってみると、少しばかり背が高くない女子が首をかしげていた。

「はい。部活の見学に来ました」


「やっぱりそうかー」

目の前の女性は少し期待していたものと違うというような表情を浮かべて肩を落とす。

「どうかしましたか?」


「咲良の彼氏かと思ったよー」


「な、何言ってるの!?ち、違うよ!?本当だよ!お願いだからそんな疑いの眼差しで見ないで!」


「ふーん、どうかなぁ……ねえ、君は咲良のことどう思う?」

どう思うって……いきなり聞かれるとかなり困る質問だ。

「どう思うですか……内気な先輩というイメージですかね……」


「うん、間違ってないね!」


「香澄、ひどいよ……」


「紛う事なき真実だから!否定できない事実だからね!」

美銀先輩、留め刺され始めた……

助け船を出したほうがいいかな……

「でも、優しい先輩だと思います」


「うん、そうだね!」


「あの……その……ありがとう……」

赤面しながら俯き、静かな声で美銀先輩はそう言った。

話を戻そう。

「美術部のおもな活動はどのようなものですか?」


「え、えっと絵を描くことが主な活動かな……」


「なるほど」


「絵、描いてみますか?」

少し考えてから、こう答える。

「はい」



好きに描いていいといわれたので、自分が描きたいように描いてみる。


それから、三時間ほどたった頃……

「できました!」


「おお……凄いじゃない!」

「本当に凄いですね……」


「ありがとうございます」

すると二人は……

「かなり上手なんだね」

「驚くほど細部までこだわっているのにかなり早いですね……」


「もっと細部にまで拘るとこれ以上時間が掛かってしまうので……」

二人は引き攣った表情を浮かべてこう言った。

「まだまだ拘るとどんな仕上がりになるんだか……」

「これでもまだまだなんですね……私も頑張らないと……」

なんだかわからないが美銀先輩の闘争心に火をつけたらしい。

「星文君は美術部か何かに入っていたの?」


「いえ、特に入ってはいなかったですよ」

二人とも驚愕の表情を浮かべている。

「それでこの画力……」

「器用だね……」


「ありがとうございます」


「そうそう、ドーナツ買ってきてるけど食べる?」

ドーナツ!?

「食べます!」


「反応早っ!?」

「満面の笑み……凄い……」


ドーナツを食べながら先輩から色々な話を聞くことにした。

「なるほど……美味しいですね」


「話を聞いているのかそれとも、ドーナツに夢中なのか……」

「か、可愛い……」

「小動物みたいで可愛いよね……」

「うん……」

「でも、ドーナツってカロリーが……」

「体重計が恐怖の機械に変わるよね……」

「星文君は体重幾つ?」


「えっと……40キロぐらいですかね」


「軽っ!?」

二人の声が綺麗に重なった。

そんなに驚くことではないような……

「そんなに軽いですか?」


「だって君、身長160センチぐらいで40キロは軽すぎじゃない!?」

隣では美銀先輩が頷いている。

「確かに……体脂肪率とかも-22%ぐらいですからね……」


「う、羨ましいやつめ」

「カロリーとかで悩むことなさそう……」


「確かにカロリーで悩んだことないですね」


「断言しちゃった」

「ある意味羨ましい体質だよね……」

いつの間にか驚きの眼差しから、羨望の眼差しへと変わっていた。

「ありがとうございます」


「皮肉か嫌味かのような発言と可愛い笑顔……」

「ギャップが凄いね……」


「皮肉や嫌味ではないですよ」


「じゃあなに?」

少し考えてからこう返答する。

「事実……ですかね」


「嫌味じゃない!?」

真顔で真剣に答える。

「断じて違います」


「真顔で即答……本当に嫌味とかじゃないんだよね?」


「はい。もちろん」


「笑顔が眩しい!」

「嘘じゃない、みたい……」


「ドーナツご馳走様でした。とても美味しかったです」


「それはよかった」

「絵の続き、描く?」


「はい、こうなったら完成させて行きたいですから」

その後3時間掛けてようやく絵を完成させて、その絵はお世話になった美銀先輩に渡すことにした。

美術部の見学を済ませたので次に見学行く部活決めないと……

楽しかったなぁ……

こうして楽しさをしみじみと感じた一日を過ごしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ