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プロローグ
それは地の底で長い間、眠っていた。
あるべきものたちの帰りを待ちわびながら。
どれほどの時をその地で過ごしたのかわからない。
地表付近の守護機兵が反応したようだ。
また盗掘者がやってきたのだろう。
こりもせずにまたここへ来るという。
ここには彼らの求めるものなどないというのに。
前回の時からどれほど経っただろうか。
感情も想いもそこにはない。
ここには永遠に続く時があるだけ。
視界にある庭園は停止したようにその姿を保ち続けている。
盗掘者だろうとここまでたどり着けるものがいるとすれば…。
それは少しだけあるはずのない感情を動かした。
再び彼らと旅をする日を夢見る。
永劫の時の闇をさまよい続けながら。
既に忘れ去られているということなどつゆも思わずに。
あらすじはちとわかりませんね。
要は地上でも、地の底でも、すったもんだする話です。
今回のでミイドリイク編は最終章になります。
よろしければもう少しお付き合いください。