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守る!

「エルファス、右だっ!」


 ミトの声が、洞窟内に響く。


「ひいいぃぃぃぃぃっっ!」


 悲鳴に似た声を上げで、ミリアを背負ったエルファスが大きく右に飛ぶ。


 一瞬の間の後、真っ赤な炎が地面を溶かした。


「こんっの!」


 松が渾身の蹴りをドラゴンの顔にぶつけると、深い二本の傷が鱗を切り裂いて肉を抉った。


 しかし、そんな攻撃など意にも介さず、ドラゴンはただただエルファスを追い掛ける。

 正確にはエルファスの背に背負われているミリアを追いかけていた。




 砦を出発して五日目の夕刻に、ジンタ達はドラゴンの住処である洞窟へと辿り着いた。

 道中、道に迷うことなくこれたのは至極簡単。

 元々ドラゴンが砦に来た際に通った道がそのまま木々をなぎ倒し、道を作っていたからだ。


 ジンタ達はその道を通ってきたのだが、ドラゴンが通った後だけに臭いでもあるのか、ゴブリンの森の魔獣などと出くわすことがまったくなかった。


 きっとどの魔獣も、本能的に、そして実際に見ていたのだろう、ドラゴンを。

 だからなのか、移動中一度もモンスターに遭遇することなくジンタ達は洞窟まで来れた。


 時間的に夕刻なのもあり、その日はそこで一泊した。


 ドラゴンとの戦闘についての作戦や、動きの指示など、ロンシャンとジンタが主に話合い立てていった。


 朝になり洞窟内に足を踏み入れ二時間ほど、ドラゴンが通れるぐらいの広く高い洞窟内を進んだ先で、より広い広場へと出た。


 そこには、待っていたかのようなドラゴンの姿があった。


 そして戦いは始まったのだ。


 ジンタやロンシャンが立てた作戦をすべて台無しにするようなドラゴンの猪突猛進っぷりを発揮されて。




「エルファス、次はもう一度右だっ!」


 ドラゴンと併走して走りながらミトが前方を走るエルファスに叫ぶ。


「ひぃひぃひいいいいいぃぃぃぃぃっ!」


 返事の代わりに奇声を発して、エルファスがミリアを背負ったまま再度横っ飛びする。


 ゴウッ!


 肌が焼けるような熱波を振りまいて、ドラゴンの口から炎が放たれる。

 それは、エルファスの走っていた場所に降りそそぎ、地面を溶かす。


「エルちゃん大丈夫?」


 背負われるだけのミリアがエルファスに声を掛けると、


「ひぃ、ひぃ、ひぃ、ひいいいいいぃぃぃぃぃ!」


 エルファスが奇声を上げながら大きく首を左右に振ったが、今走るのを止められるはずもない。


 戦闘開始からずっと、ドラゴンはひたすらエルファス(背負っているミリア)を追い掛け続けたからだ。


『浮遊石』のお陰もあり、エルファスは追い掛けてくるドラゴンから逃げ続けているが、もう一時間ほど逃げ続けている、さすがにそろそろ限界が近い。




 そんな状況だからと、ジンタ達だって何にもしてないわけではない。


 走り、追いついては目一杯に剣を振り、また離されては、追い掛けるをくり返していた。


 足の速いミトや松はともかく、イヨリやリカや竹、雪目や水音や梅など、走るのがあまり得意ではないメンバーはそれこそもう息があがっている。


「このままじゃあ、じり貧ですわね。ここは一つ逆に向こうからこっちに来て頂きませんこと?」


 額の汗を拭いながら、リカが立ち止まった。


「え? 向こうからこっちに?」

「ええ、どうせ、エルファス様、まあきっとミリア様を追い掛けているのでしょう、あのドラゴンは」

「ええ、多分そうですね」

「では、エルファス様が私達の方へと逃げてくれば、ドラゴンも私達の方へと向かって来るのではありませんこと?」


「「「「ああ~っ!」」」」


 至極簡単なことだった。

 戦闘開始からのいきなりの展開に、とりあえず追い掛けるドラゴンから二人を逃がさないと、と考えてしまい、完全に冷静さを失っていた。


 確かに、相手がエルファスにおんぶされているミリアを追い掛けているのなら、そのミリアがジンタ達の前を通っていけば、そこをドラゴンも通るということになるの当然だ。


「よし、とりあえずそれで行こう」


 今まで必死に追い掛けていたジンタ達が、とりあえずドラゴンの住処、その中央に陣取る。


 足の速いミトと松が、エルファスを励まし指示を出すために一緒に走っているが、それ以外のメンバーは、それぞれに準備を始める。


 もっとも、ジンタ達は息を整えることに集中する。

 準備は主に、雪目と水音と梅がその場に罠を仕掛ける形だ。


「おいジンタ! エルファスをもうそっちに行かせていいか?」


 自分のマスターがドラゴンに追い掛けられて「ひぃひぃ」と悲鳴を上げながら逃げてるだけに、ミト気が気でない。


「もうちょっとだけ待ってくれ。雪目さん達があと少しかかりそうだ」


「急いでくれよ! エルファスももう一杯一杯だからよ」


「ああ、分かってる」


 ちらりとエルファスに目を向ければ、確かに一杯一杯だ。

 しかし、その姿はもうかれこれ始まってからずっと、一時間以上同じようにも見える。


「エルファスってさ、何気に練習さぼってないよなぁ~」


 つい隣にいるイヨリに呟いた。


「ええ、本当にエルファスさんは凄いですよね。ミリアも健康のために少しは走らせた方がよくないです?」


「そうかも知れないよなぁ~」


 自分達のマスターであるミリアが、エルファスにおんぶされているにも関わらず意外と二人はのんきな会話をしていた。


「準備出来ました」

「出来ましたですぅ~」

「わっちもいいだす」


 罠を仕掛けていた三人が声を上げた。


「ミトいいぞ!」


 ジンタが大声で言うと、ミトが本当にほっとしたような顔で頷いた。


 ジンタ達が見守る中、ドラゴンが吐き出すブレスを直前で横に飛び、そのまま一八〇度回り込んで、エルファスが方向転換してくる。


「来るぞっ!」


 普段のどこか人を小馬鹿にした、しれっとした顔のエルファスとはほど遠い、汗だくで涙をボロボロ溢しヨダレまで出ている必死な感じの姿で近づいてくる。


「よくがんばったな、ミリアを守ってくれてありがとう」


 通りすぎ間際、ジンタがエルファスに声を掛けた。


 エルファスの後を追って、目を真っ赤に光らせ必死の形相で追い掛けてくるドラゴンにジンタは直剣を構える。


「行きますっ!」


 ジンタが構えると同時に、雪目の声が高らかに響いた。

 腰まであるストレートの銀髪に白装束で身を包んだ雪目が、全身に纏っていた冷気を地面に向け開放する。


 ビキビキビキッ


 地面にまかれていた種族ウインディーネである水音の純水が一瞬で凍り付く。


「ゴアアアァァァァッ!」


 尾っぽを断ち切った憎きミリアだけを見ていたのだろう、追い掛けていたドラゴンが、雪目の凍らせたツルツルの地面に前足を滑らせヘッドスライディングのように四肢を伸ばし倒れ込んだ。


「行くぞっ!」


 いまだ、つるつるの氷上を惰性だせいで滑っているドラゴンに向け、ジンタが直剣を振りかざし合図を送った。


「これ以上、ミリアを追わせませんッ!」

「エルファスだって、追わせないぜっ!」

「やっと目一杯切り刻めると言うモノですわ」

「おれっちが、一番乗りだ!」

「あーちゃんも、あーちゃんも!」

「ピアッシングスピアッ!」

「わ、私だって、や、やる時はやるんです!」


 さっきまで一撃与えては、走ってをくり返していた武器を持つ『召喚されし者』達が、完全に地に伏したドラゴンに次々と攻撃を仕掛けていく。


 直剣がドラゴンの鱗を突き刺し。

 大斧がドラゴンの鱗ごと肉を押し潰す。

 鋭利極まる風の刃が鱗と肉を深く切り裂きめり込む。 

 五本の鋭利な爪が縦横無尽に肉を刻みつくし。

 蹴り足に装着された二本の刃を滑らせ鱗と肉を切り。

 深緑の蔦に、一辺を鋭利に削った五角形の小さい盾を持たせ、それを振り回し鱗を砕き。

 大型のランスを高速で何度も突き刺し。

 鉄の棒のような槍を捻りを加え肉を抉る。


 ここで戦いを決めるとばかりに全員が攻撃を加えていく。

 次々に訪れる激しい痛みに、ドラゴンの悲痛な咆哮が洞窟を振るわせる。


 何度となく起き上がろうとするドラゴンだが、足を滑らせたり、絶妙なタイミングで沸き起こる土の隆起や水や氷の足枷に邪魔されてうまく起き上がれない。


 それまで掛かっていた範囲強化魔法も『スピード』から『パワー』へと変更され、全員に掛かっていた単独の強化魔法もマスター達により『パワー』へと変えられる。


『ダブルパワー』の効果によって、より攻撃の威力が加速されていく。



           ※※※※※※※※



 自分の家族や仲間が、全力の攻撃を仕掛けるのを見ながら、それでも不安を拭いきれないロンシャンはドラゴンの挙動に目を光らせていた。


 まだ、目が死んでない……


 悲痛な咆哮、飛び散る真っ赤な血飛沫。

 全員の、ここで終わらせる気持ちその全力の攻撃を受けてもなお、ドラゴンの目はミリアを睨んでいた。


 尻尾を切られ、怒るのは分かる。

 しかし、それにしても執着しすぎな気がする。

 本人に認識があるのかどうかは分からないが、ドラゴンはひょっとするとミリアと似た誰かと会ったことがあるのではないか、と考えていた。


 その一つの考えとして、今ロンシャンの右手の手袋にも縫い付けられている『浮遊石』、それが入っていたドラゴンの鱗を加工して作られていた箱だ。


 数人の先輩マスター達が、必死に念じて魔力を注ぎ込んでやっといくらか加工出来た程度のあれを、まるで折り紙のように折って箱としてしていたこと。そして、そんな箱に文字を刻んでいたこと。


 相当数のマスターと時間があれば出来なくはない。


 しかし、あの箱を見た時ロンシャンは、


「この箱は一人の人が、遊び心も込めて後世に残すために作ったモノだ」


 と、ふとそう思ってしまったのだ。


 そして、今ロンシャンの知る中で、それと同じことが容易く可能なのが『エターナル』と呼ばれるミリアだけ。


 前に話をした、リゼットの体を使って話をした存在。


『神』は言っていた。


 ミリアを『エターナル』と呼ばれる存在だと。


 その言い方は、過去にもまたそういう存在が居たことを意味していないかと。


 元々ロンシャンもミリアの特異性に付いてはずっと目を付けていた。

 そしてそのミリアが家族として喚んた人達にも。


 中でも、異世界から喚ばれたと言う、至って普通の、至って脆弱な、獣人化の出来ない存在、ジンタという存在は特に。


 チラリと目を向ければ、彼は今他のみんなにも負けないほど、必死に剣を振り上げては振り下ろし、振りしぼっては突き刺してを振り返し、その身をドラゴンの血で真っ赤に染めながら必死に攻撃をくり返していた。


 どうしてミリアちゃんはあの人を喚んだのだろう……。


 前々から、時々ふとそう考えてしまう。


 自分達が召喚する時、相手を選べないというが、きっとそれは違うとロンシャンは思っている。

 きっと自分でも気付かない。

 ずっとず――――っと根底のところで自分達はそういう存在を望んでいるんじゃないだろうか、とロンシャンは常々考えていた。


 だから、初めての召喚の際、母親のような『召喚されし者』や、姉や兄のような『召喚されし者』がよく喚ばれているのではないかと。


 記憶はないが、当然自分達にも母親はいるのだろう。

 そして、その母親を求めるように、寂しい気持ちを埋めるように、召喚をするのだと。


 そう考えた時、ジンタを喚んだ時のミリアの状況を加味しても、何故ミリアがジンタを喚んだのかがよく分からないのだ。


 必死だったのは分かる。

 骸骨に襲われ、エルファスと二人で危機だったのも分かる。

 だから誰かを必要としたのも分かる。


 しかし、普通そう考えたのならもっと強い存在。

 イヨリのように、種族ゴーレムような強い存在を喚ぶのではないか、と。


 それなのに、喚ばれたのは獣人化も出来ない。

 第一階層でもない、そもそもこのリリフォリアの住人でもない存在を喚んだと言うのには一体どんな意味があるのだろう、と。


 そのジンタも『神』に『始原の者』と呼ばれていた。


『始原の者』とは一体何なのだろう。


 前にジンタに聞いたジンタの世界の話。


 このリリフォリアとはまったく別の世界の話。


 興味は凄く湧いた。


 出来る事なら、自分も行ってみたいと思った。


 だが、どんなに聞いても、ミリアが必要に迫られ喚んだ時、この人でなければならない理由が分からなかった。


 そもそも、異世界なる場所の存在をミリア自体が知っていたわけでもないのだから。


「きっとまだミリアちゃんには色々と何かがある」


 そう思うと、ロンシャンもまだミリアを失うわけには行かないと、思ってしまう。


 だからこそ、自分はミリアの側にずっと一緒にいて、もっと色々知りたいと願っている。

 だからこそ、今ここでドラゴン如きにミリアを殺させるわけにはいかないのだ。


 考えるのを止めたロンシャンの目に、ドラゴンの獰猛に輝く赤い瞳が映った。


 ――――まずい


 地に伏したまま動けないドラゴンの姿だか、嫌な感覚が全身を駆け巡った。


「イヨリさんっ!」

「イヨリッ!」


 咄嗟だった。


 ミリアへと向かい走るイヨリの姿が目に入り、同時に視界の端でドラゴンが口を大きく開けた。


 だから叫んだのだ、ミリアと同時に。



           ※※※※※※※※



 それは偶然的とも必然的とも言える行動だった。


 一気に終わらせるために『ダブルパワー』の強化魔法を受け、ドラゴンの首元に向け、あらん限りの力で大斧を回していたイヨリだったが、ふと手が止まった。


 何故? と言われると「そんな気がした」としか答えようがなかった。

 だが、その時はどうしても気になったのだ、ミリアが。


 そして振り返り、応援しているミリアを見て思った。


 あ、ミリアを守らないと、と。


 走り出し、手に持つ大斧を両手で握り体を大きく仰け反らせて、目一杯の力で投げつけた。

 ドラゴンの頭部目掛けて。


 それが、ドラゴンのどこに命中したかなんて見てはいなかった。

 投げた後は、ただひたすらに全力でミリアの元へと走った。


 周りも見ず振り返りもせず、ただ一心にミリアだけを見て走った。


 ミリアの叫ぶ姿が見える。

 辿り着くと、イヨリはためらいなくミリアに背を向けた。

 獣人化したゴーレムの長い両腕を、上下に並べてガードの体勢をとる。


 守らないと、とりあえずこの子だけは守らないと


 何度もそう言い聞かせる。


 目を正面に向けた瞬間、視界一面が真っ赤に染まっていた。


 このままではダメ。

 防ぎきれない。

 でも、大丈夫。

 絶対に守って見せる。


 心で叫ぶごとに、胸の中央にある獣人石が熱を帯び輝いていく。

 全身を燃やすような熱が駆け巡る。


 正面から向かい来る赤い壁を凝視したまま、イヨリのゴーレムの両腕に獣人石の熱が一気に流れ込む。


 まもる、守る、護る!


 心で叫ぶごとに、自分の中で形が明確に形が作られていく。

 それが自身のゴーレムの腕へと反映されていく。


 上下平行に並べたゴーレムの両腕の前、前腕部から肘まで、岩で作られた長方形の盾が出来た。

 それが上下左右と、倍に倍にと広がっていき、遂にはイヨリ自身を隠し、さらにその倍ほどまで大きな岩の壁が作られた。


 向かって来る赤い何かが、作った壁に当たる。


 赤い景色がぶち当たった瞬間、イヨリはそれがドラゴンのブレスだと理解した。


 激しい炎の熱波は、イヨリの作った岩の壁にぶつかり左右に広がる。

 構えた両腕が炎に焼かれるように熱くなる。

 黒髪が熱風で焼かれチリチリと音を立てる。


 熱波の勢いが、新しく両腕から壁のような盾を作るイヨリをグイグイと押し込んでいく。

 背に守るミリアがイヨリの名を心配げに叫び、エルファスが悲鳴をあげる。


 作った壁が熱によって真っ赤に染まっていく。



 ダメだ、これだけではダメだ。



 ドラゴンの最後の攻撃ともいえる命を掛けたブレス攻撃は、イヨリの新しく作った岩壁の如き盾をも焼いて溶かしていく。



 もっと強く、もっと硬いものにっ!



 心の中、イヨリはさらに強く願う。


 思い出すのは、砦でドラゴンが炎を吐いた後に残っていたモノ。

 人は蒸発か真っ黒焦げに焼かれ、地は溶化され削られていた。


 そんな、全て燃やし尽くされたような景色の中で、残っているものがあった。

 きっとそれは、持ち主が吐かれた炎によって完全に焼き消された者が持っていたものだろう。


 溶岩のように真っ赤に溶けた大地に突き刺さりながらも、自分はまだまだやれるぞと言っているようにイヨリには見えた。


 炎により変色し鈍色になりながらも、それは溶かされずにしっかりと形を残していた。



 そうだ、あれだったらきっとこの炎にも耐えられる。



 イヨリの中に、上書きされるように明確に新しい自分の姿が浮かび上がる。


 ――――うああああぁぁぁぁぁぁっ!


 イヨリの雄叫びの如き叫びに呼応するように、獣人石が岩をも焼き溶かす炎の輝くに負けないほど輝く。


 ――あれに成る。あの時、ドラゴンの吐いたブレスに耐え、さらにまだ自分はやれるとその身を溶かされず、鈍色に輝かせていた『鋼鉄の盾』に!


 イヨリが、自分の姿を自覚すればするほど、獣人石の輝きが一層の輝きを放つ。


 ついに、ドラゴンのブレス、その真っ赤な熱波の光を、より強い白い輝きで真っ白にかき消した。


 真っ白な世界の中、ただ体中に流れる熱がドクンドクンと体を揺するように激しい脈動をくり返していた。


 獣人化している両腕に、輝く胸の獣人石から新しい何かが流れ込んでいく。


 守るため、完全防御に徹した格好のままのイヨリの両腕から、ボロボロと今まで一緒にいた岩達が剥がれ落ちていく。


 そして、剥がされていく岩の奥から、新しく鈍色に輝く腕が姿を現す。


 これなら、絶対に大丈夫。


 確信を持ったイヨリの言葉に新しい腕がより一層の輝きを放った。


 ――うおおおおぉぉぉぉっ!


 自分の両腕が、岩から鋼鉄へと変化したことを認識したと同時にイヨリは吠えた。

 全身全霊を掛けてすべてを溶かし燃やし尽くそうと吐きかけてくるドラゴンの炎を、両腕同様、鋼鉄の盾、いや鋼鉄の壁を使って押し返す。


 熱さがない訳ではない。

 今でも、髪はちりちりと熱で焼けている。


 それでも、絶対に炎は自分を突き抜け、後ろにいるミリアにまで届くことはない。と確信出来た。


 だから、自信を持って足を動かす。

 前へ前へ、と。

今回は特に遅くなってすいませんでした。

実は最近ちょっと姫ウズラなる、ウズラの孵化にチャレンジしていて、仕事と休みの時などに生まれた時の準備などをしていたら、あっという間に時間が過ぎてしまって、ははは……

一応2月28日に孵化予定なので、次も少し遅くなるかも知れません。

ちゃんと続きは書きますので、どうか生暖かい目でお待ち下さい。


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