HAPPY END
「ちょっと、失礼しますよ」
異様に目立つ服を着た、髪の長い男がアパートの1つの部屋の中に入る。
その男は、巨大は額縁を持ち歩いていた。
「不用心もいいところですね」
鍵は、開いていた。
部屋に足を踏み入れると、そこは沢山のパズルがあった。
安物もあるが、中には価値の高い物も混ざっている。
しかし、この男はそんな物には興味が無い。
「あったあった……おお、これはなんと見事な……!」
部屋の中心に置かれた、完成した巨大なジグソーパズル。
そこには、2人の男女が幸せそうに手を繋ぐ様子が描かれていた。
「ああ、なんと幸せそうな2人なのでしょう! そして複数の人間が移されるなんて、これまでこんな例を見たことがない……素晴らしい! これは実に、素晴らしい!」
男は感激し、かつては無地のパズルだった絵画を褒めちぎる。
「これはいい値段で売れるでしょう……しかし売るのは惜しい……そうだ、飽きるまで我が家に飾っておきましょうか」
男はパズルを糊付けし、丁寧に額縁に入れ、それを抱えアパートから立ち去った。
その後、あるカップルが行方不明になったと報道された。
2人どうなったか、1人を除いて誰も知らない。
それを知る1人は額の中で手を繋ぐ2人を眺め、にこにこと微笑みながらこう言った。
「お2人ともずっと一緒に居れて、良かったですねぇ」
HAPPY END
読んで頂きありがとうございました。
ハッピーエンドです。




