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パズルの完成

女の誕生日が過ぎてから、女がミルクパズルを始めてから、何日が過ぎただろうか。

女は限界までジグソーパズルを嵌めていき、無意識の内に男の作った料理を平らげ、またパズルへと戻っていった。

夏季休業期間はもう既に終わっているが、大学など行かなかった。

時間が経つことをすっかり忘れ、パズルだけに時間を費やしたのだ。

携帯は女の彼氏からのメールと着信履歴で埋まっていたが、そんな事は一切気づかない。

普段から集中すると周りのことが見えなくなる性分だったがいつも以上に、異常な位に、白いパズルに女の現実が飲まれていった。


しかし、パズルはいつか完成するもの。

女はジグソーパズルを作る経験が多かったおかげで、常人離れしたパズルセンスがあった。

おかげで、真っ白なパズルは残り1ピースになっていた。

「あと1つで……最後なのね」

大好きな恋人から貰った、大好きなパズル。

それが今、たった1つのピースを嵌めるだけで完成するのだ。

ふと女はこの大事な儀式に彼氏を呼ぼうかと考えたが、それよりも完成したパズルが見たかった。

彼は言っていた、「魔法のパズル」だと。

この真っ白なキャンバスに、何かが写し出されるのだろうか?

どこか名残惜しい気もしたが、それ以上に女の鼓動は興奮で早くなっていた。

「これで……完成……」

女はミルクパズルの中心にとっておいた、1つのピースを嵌める。

白い、白い、穢れのない、どこまでも白いミルクパズルが完成した。

女は達成感と充実感に満ち溢れていた。

「えへへ……できた……できたよ……」

女は笑っていた。

ふと、意識が遠くなりかけ、女はパズルを崩さぬようそっとその場に寝転んだ。

そしてパズルを眺める。

「あ……れ……?」

白一色だったはずのパズルに、少しずつ色が付き始めていた。

幻覚だろうか?

女はもっと覗き込もうと、パズルに顔を近づける。

すると。

彼女の現実は、白く弾けた。

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