第八幕 死の口づけ
脇腹に剣が刺されるが、態勢を立て直しユウカの頭をはねる。
また、長い階段を降りてゆく。
あと5分で焼き払う。と無線が入る。
最後まで階段を下りると、開けた空間に出る。
そこには、槇奈と槇奈とは髪色は違えど、瓜二つの赤いドレスの少女がそこにはいた。
「あら、お友達が来たみたいだよ」
「クサナギ…」
「あと4分で、この島は火の海になる」
そうだったね。と夕果の膝の上でさみしそうに言う。
「そうだ。槇奈立って」
そういわれると立ち上がり、夕果の後ろをついてゆく。
これなんてどうかな。と白いセーラー服に紺色のコルセットと合体したスカートを、出してきた。
「いい服でしょ」
うん。と頷くと早速、着替える。
室内に巨大な爆発音が、響くとその煙の中から一人の男性の姿が現れる。
琢磨。と叫ぶと「槇奈」と言って、クサナギがアタッシュケースを投げてきた。
中から銃とパイルバンカーを取り装着する。
銃を撃ちながら、琢磨に近づいてゆく。
詰めが甘いな。というと琢磨は剣を構える。
拳銃を仕舞い込み、パイルバンカーで剣を防ぎながら攻撃を繰り出してゆく。
早すぎる…。と思っていると、琢磨を見失うと背中から胸に向けて槍が刺さる。
もう終わりか?と嗤いながら琢磨は、槇奈の頭をつかみ、そのまま空中に放り投げられる。
しょうがないですね。と夕果は言い槇名に近づいて行く、その後ろをクサナギもついてゆく。
「この事象を解決する、唯一の手段がある……」
「なんだ」
「“遺乃血池”だよ。まぁ、言っちゃえば吸血鬼を、無限に作り出す機械ってところかな」
私を、使え。と瀕死の槇奈が、そう伝える。
「その傷では、死んでしまうかも」
いいと。力なく横たわる槇奈が伝える。
クサナギが、煙幕をはって夕果の指示した階段を、瀕死の槇奈を担いで長い階段をおりてゆく。