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第七幕 瓜二つ
どう?槇奈。と自分と、瓜二つの少女の膝の上で目を覚ます。
「ここは私の理想郷よ」
あたりを見回すと、植物や花が咲き誇り、水が流れるきれいな庭園だった。
「私はね、人間と吸血鬼が共同で生きれる世界を作りたくて、この島を選んだのだけどね、あなたのような存在が、障害となり…仕方なく」
「そう…なぜ私をここに?」
「実際は、だれでもよかったけどハンターに、来てもらえばリスクも大きくなるけど確実にわかってくれるかな、と思ってね」
なるほど。というと額を抑えられ額に口づけをされた。
「私の名前は夕果よ」
夕果的には。と言おうとすると人差し指を、唇の真ん中にあてられる。
夕果は槇奈の髪を撫でて「私的には理想郷を作りたかっただけ」と、穏やかで優しい眼差しでいう。
「私はね、家族を吸血鬼に殺されたの…だから」
ずっと恨んできた。と夕果は、察するように言った。
「無理もないわよね」
沈黙……―――。
「まぁ、いずれわかるわ」