第五幕 恐怖
「こんばんわ、槇奈さん」
気が付くと後ろに、双子の少女が立っていた。
「あなた達は……吸血鬼」
「ご明察」
「さぁ遊びましょうか」
そうすると、目の前から二人が消える。
何が起きたかわからずに、その場に倒れる。
槇奈の噂を手掛かりに、何とか槇奈のいる場所にたどり着く。
誰かいないか。と扉を開けると、奥から黒人のサングラスの大柄な男性が、部屋に入ってき。
「誰だ……?」
「クサナギだ」
「いかにもお前、吸血鬼だな」
槇奈さんと同じか。というと男は「えっ」と、声を漏らした。
「槇奈をどうした」
「帰ってきてないのか」
ああ。と男は頷いた。
「やっぱおかしい」
「神崎に連れ去られたか……」
神崎に?と男は声を張り上げた。
「俺はMr.Dだ、よろしくな」
そうすると男は、電話で何かをし始めた。
1時間後……
部屋の中に防弾チョッキなどの武装した人々が、集まりだす。
「これより、3日後に槇奈救出作戦を行う」
了解。と武装した集団が言う。
それと同時刻……
「どうする?」
「殺しちゃうのも面白くないね」
目が覚めると手足が鎖に繋がれ、身動きができなかった。
「あら、目覚めちゃったのね」
……貴様らは。と言おうとすると、口をタオルのようなもので塞がれる。
「黙っててね」
目に布を巻かれ、隠される。
「琢磨様」
「上出来だ、ユウカにルカ」
手のひらに、鋭い痛みが走る。
「痛いか?」
だろうな。と言うと、椅子のきしむ音が聞こえる。
顔が持ち上げられると、鎖の音が聞こえて首が固定される。
体を鞭のようなもので打たれ、そのあとに額に何秒間隔かで、水滴が落とされる。
それが何時間も繰り返された。