終 幕 the LasT of VampirE
あれから3か月後……―――
美しく桜が舞う公園。
その公園の一角にある石柱に寄り掛かるタバコをくわえているクサナギと、帽子を目深にかぶっている少女、しかその風貌からは槇奈と分かった。
〝……皮肉なもんだよな、今度はお前が追われる身なんて〟
〝ちょっと、違う。だって今の私は、消息不明で生死も不明。しかも現在捜索中のはずだし…――〟
〝でも…。見つかれば追われるかもね〟
〝……血の臭いも今じゃ強いなお前は…――――〟
槇奈はくすっと笑う。
〝だって、私実は吸血鬼だったの…――――〟
〝アレを使ったから、体の構造がさらに変化しちゃったみたい〟
〝変化っていうことより、ただ日を追うごとに、純血の吸血鬼に近づいてるんだと思う……〟
〝……血を吸いたいんじゃないか?〟
〝いや、それほどでもないけど〟
〝日に日に吸血衝動は強くなって……いずれその時が来るんだろうな〟
沈みきった声――――。
それはまるで、この先自分の身に将来に起こるすべてを、予感させる響きの声だった。
〝……お前の仲間は助けてくれないのか?〟
〝吸血鬼を治せるようになり、人間になるような対処法があるなら〟
〝なかったら……たぶん――――〟
沈黙――――。
槇奈は、それ以上は何も言わなかった。
〝……どうするんだ?〟
〝たぶん遠い場所へ行く、夕果と一緒に……〟
クサナギは会話の間、ずっと槇奈を見ない。
クサナギと同じく、槇奈もクサナギを見ない。
互いに違うほうを向いた会話。それは独り言をつぶやくかのように淡々と。
〝さよなら、クサナギ〟
〝あなたに、あえてとてもよかったわ……〟
槇奈はその場を立ち去った。
「またせたな、クサナギ」
「待たせすぎだMr.D」
わりぃな。といいMr.Dは笑う。
さっさと終わらせましょ。と言ってMr.Dを引っ張り、島の繁華街へと向かう。
「私たちのわがままで、この島を焼き払ったんだから、早く復興しちゃいましょ」
「ああそうだな」
Mr.D、俺たちはどこへ向かうのだろうな。
――わからない
夕果、私たちはどこへ向かうんだろうね。
――わからないそんなこと
ただ、言えることはここにいることが幸せということだけ……―――――。
<了>




