第一幕 始まり…
走って逃げる人間に、無言のまま銃を撃ち込む、黒長髪ぱっつんのブレザーに赤いスカートの少女。
吸血鬼なのが、悪いのよ。といらだった口調で、燃える遺体を見ていう。
携帯を取り出して「おわった」と、電話して薬莢を拾う。
路地裏を歩いて、桜が一本だけ咲いている公園に出る。
よう、嬢ちゃん。と言われ振り向くと、ナイフを持った男が近寄ってくる。
「なに?」
人間を殺す趣味はあいにく、持ち合わせてないんだけどね。と言って構えられたナイフを、拳銃のスライド部分を使って吹き飛ばして、腹に肘鉄を食らわせ倒れてきたときに顔面を膝蹴りし最後に回し蹴りを加えた。
「ただのCQCです」
死にはしません。とけだるく言って、財布を取り出して5千円札を落とし、その場から立ち去る。
私の名前は雪乃瀬槇奈。
3年前に吸血鬼によって、家族を殺されたその生き残り。
そして、それと同時に吸血鬼狩りである。
夜になれば、吸血鬼を狩りそれを生業とする人間。
しかし、同時に大きなリスクもある。それは襲撃され、吸血鬼になるということ。
吸血鬼を狩るのは、一晩にせいぜい2、3人が限度である為、これといった成果を上げることはできない。
しかし、私たちのような人間を毛嫌いする人間もいた。
2年前・・・
「よし、終わった」
薬莢を拾うと人の気配に気がつき見ると、人が6人いた
見られてしまった……。と思い顔を隠して、足早に去ってゆく。
その翌日、ニュースの一面に載ってしまい〝化け物〟と呼ばれ、学校も半ば強引に辞めさせられて今じゃ、吸血狩りの協会にそのまま、隠れ住むようにした。
そして2年の歳月が流れ、こうしてこの人工島に移住をして、また吸血鬼狩りを始めた。