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物語のはじまり

※本文は完全に創作になります。

実際の地名や人物、団体とは一切関係ありません。


数年前までは、俺は一国の王太子だった。


父は大富豪として国を治め、

全ての民を平等に扱っていた。


例え、プレイヤーだろうとスーターだろうと、

父は差別することなく等しく接した。


その姿を国民も見習い、

スーターも1人の人として、

とても平和な世の中だった。

大富豪自体もただの娯楽として、

勝っても負けてもお互いが楽しく終わる。


今となっては全ての諍いが大富豪を通じて

行われているが。



──それもこれも、現大富豪のせいだ。



父の作った平和な世を壊し、

争いの生まれる世界を作り上げた。


なにより、

父を

母を

両親を殺し、2人の持っていたスーターを

奪い取ったあの男を。


今も尚、父の玉座に居座り、厚顔無恥な

あの男を。


敗北を持って知らしめてやる。


真の大富豪が、誰なのかを。



「…だから、マスターは大富豪を

目指しているんですね。」


静かに話を聞いていたスフィが口を開いた。


「あぁ、何としても両親の仇を取り、

また平和な世にしてみせる。」


「数年前はまだ私も生まれていなかったので、

よく分かりませんが、

プレイヤーとスーターが平等に扱われている

時代があったんですね。

素敵な世界です…!」


スーターは基本的に不老不死だ。

年齢は様々あるが、歳をとることがない。

故に、何もない場所から突然生まれてくるのだ。


生まれてくるスーターを求めて、

旅をする者もいる。

数字が高ければオークションに、

低ければ奴隷として。


…ほんとうに、父の生きていた世では

考えられない。


「そういえば、

マスターのお名前を伺っていませんでした。

改めて、お名前は?マスター。」


スフィが顔を覗き込んでいる。


「いいだろう!教えてやる。

俺の名前は、レリオンだ。マスターなんて

堅苦しく呼ぶ必要はないぞ。」


スフィは名前を聞けて嬉しそうに、

「はい!レリオン様!」と明るく話す。


「…それより、この現状を

少しでも良くしたいところですね。」


焚き火を囲んで野宿している俺たちに、

呆れるようにため息をついている。


「スフィ、こいつも紹介しよう。

騎士の役職を持つ

スペードのデュース、ルイスだ。」


ルイスはスフィに、頭を下げた。


「よろしくお願い致します。」


「ルイスも元々は父のスーターだったんだが、

数年前の事件の際に、父が俺の護衛として

ルイスを託し逃がしてくれた。

それからは俺のスーターだ。」


ルイスは少し照れくさそうに頬をかいている。


「私は代々、王家のスーターとして

使えています。代が入れ替わる時に、

次期王に私は受け継がれてきました。

…全て、忘れることのない思い出です。」


本当なら、俺が成人する時に

父から受け継ぐはずだった。


ルイスは生まれた時からずっと王宮にいて、

ほぼ兄弟のようなものだ。

だからこそ、今スーターが

こんな扱いを受けていることが許せない。

ルイスの他にも王宮に使えるスーターは

みんな幸せそうに笑っていた。


今は…、どうしているだろうか。


あの日以来、会えていないな。


「…よし!クヨクヨしていても仕方がない!」


自分に言い聞かせるように叫んで立ち上がる。


「今は持ち金がないからな。

近々、大富豪の大会があるらしい。

そこに参加して、賞金全部掻っ攫うぞ!」


「おー!!」と意気込む俺とスフィを尻目に、

ルイスは考え込んでいる。


「どうした?ルイス」


声をかけるとハッとしたように顔を上げた。


「いえ、なんでもありません。」


「そうか?じゃあ、明日も朝早いし

さっさと寝よう。

スーターに眠気があるかどうかは

定かじゃないがな。」


大会にもし勝てなきゃ、

しばらく1日1食になりそうだ。

しっかり寝て、大会まで鍛えないと。


布にくるまり横になると、

疲れていたのかすぐに瞼が重くなった。



────────────────────



……最近、見ない顔のスーターが

近くをうろついている。

マスターに何も無ければいいが。


横ですやすやと眠る、

まだまだ幼いマスターを見つめた。


17歳なんて、大人に甘えたい歳だろうに。

マスターはよくやっている。

優しく頭を撫でると、悪夢でも見ているのか「うーん」と唸っている。


マスターの言っていた大会とやらが

少し気になるな。

先のことといい、変な輩が大会に

参加していないといいが…。


スーターは基本的に、人が生きるために

必要な食事や排泄、睡眠などは取らなくても

何ら支障はない。

まぁ、寝れないことはないけれど。


少なくとも今、マスターが寝ている間だけは、

私に甘えていられるように、

起きて周囲の警戒を続けよう。



まだ、夜は長いから────

第2話を読んでいただきありがとうございます!


主人公の過去や目的が少しづつ明らかになるにつれ、

物語も動き始めています。


良ければ続きも読んでいただけると嬉しいです!

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