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第0話『原初の響き』
世界がまだ若く、星々が言葉を持たぬ時代。
原初神たちは大地を形づくり、海に流れを与え、空に光を散らした。
その息吹から生まれたのが、
第二世代――先代神子たちである。
彼らは幼くして強大だった。
一振りで山脈を裂き
一声で嵐を呼び
一歩ごとに世界が息を呑む
けれど、その日々は争いではなかった。
互いを高め合い、力を競い、神としてどう在るべきかを探る“学び”だった。
世界は平穏で、彼らは未来に疑いなく歩いていた。
……ただ、一つだけ。
原初神たちは気付いていた。
夜空の奥、星々の隙間に時折走る“黒いひずみ”に。
それが何であるか、誰も知らない。
けれどそのひずみが近づいていることだけは、世界の根が震えて教えていた。
まだ誰も知らない。
この小さなひずみが、後に“侵略”と名付けられる災厄の影であることを。
そしてこの時代から始まる物語が、のちに世界の運命を大きく揺るがすことを。
これは、まだ何も知らぬ先代神子たちの物語の始まりである。




