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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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3年次桜寮長交代式

 3年生でのイベントは卒業式をのぞけばこの寮長交代式を残すのみとなる。第59期の桜寮長は山川つよし学生である。また、伝統的に桜寮長は第1大隊長を兼務すると言う風習がある。また、副寮長兼副第1大隊長は、金海一兵学生が選出された。これまでは桜寮長にばかり目が行っていたが、新4年生全員が週番学生となるなど、桜寮最高学年として、新入学生や新2、3年生の学生の面倒を見るのである。

 また、書記長には看護学科新4年生の吉永が選出された。週番学生とは、1週間毎に代わる指導学生として、第1大隊長及び副大隊長及び書記長の三役の手足として、学生生活の円滑な進行をサポートする。上山先輩から桜寮長の証である純銀製の桜章を山川は受領した。

 「ありがとうございます。」

 これで桜寮長の交代式は終わりである。

 「何でぃ。たったこれだけかい?」

 「まぁ、こう言うのはさセレモニーだからさ、長いよりは短い方が見てる側は楽だろ?」

 「一生に一度の錦だぞ山川?」

 「よっ!山川第1大隊長!」

 「馬鹿にしているのかよ?」

 「まぁまぁ、仲良くやりましょうよ。」

 「そうですよ。あんまり血の気が多いと、冷静な判断出来ませんよ?」

 「書記長まで?」

 と、まぁ三役を身内で固めた…訳ではないのだが、山川第1大隊長としては、アットホームな三役を目指せそうである。

 「まぁ、よろしく一兵と吉永。」

 「おう。」

 「あいよ!」

 新三役は春休み明けから本格的に始動する。

 「へぇ!これが桜寮長に伝わる純銀製の桜章かぁ。格好良いじゃん。」

 「似合うだろ?」

 「馬鹿じゃない?自惚れちゃって。まだまだその桜章が似合うような一人前の第1大隊長じゃないでしょ?」

 「確かに。」

 「つーかまだ始まってないし。」

 「明日は小梅寮長の交代式だろ?」

 「たかだか80人の中隊長なんかつよし様には敵わないわよ。」

 「良子はいつも肝が座ってんな。」

 「天下の防衛医科大学校の中のまたその中のスーパーエリートが自分の旦那だなんて信じられない気分だわ。」

 「俺もまさか夫婦で寮長になるとは思わなかった。」

 「山川寮長!春休みが明けたら俺は、文字通りあんたの影武者だな!」

 「影武者?」

 「寮長の身に何か起こった時は、山川の身代わりになって部隊を率いるって事。」

 「一兵?お前本気でそれを言ってるのか?」

 「ああ。」

 「山川はAIじゃないんだ。知らない事があったとしても、不思議じゃない。」

 「山川は本当本読まないもんな。勉学以外で。そりゃあ知識偏るわ。」

 「医者は患者の病気や怪我を治す手助けをする職業だ。それは医官たる自衛官も同じ。一兵!貴様だって無駄な知識を増やすより、そんな暇があるなら医師として必要な知識と技術の取得に時間を割け!」

 「山川の奴、寮長になった途端こんな調子なんだ。セツ菜はどう思う?」

 「一兵も山川君もどっちも正しいと思う。この世界に不正解なんてないんだから。でも、一般的に一兵は山川君の部下なんだから、しっかり山川君のサポートに徹しなきゃ駄目なんじゃない。」

 「そ、そうだよな。ありがとうセツ菜。」

 「悩みがあったら教えて?私は4人の中で一番時間があるから。」

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