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3年次アメフト部今季成績

 防衛医科大学校アメフト部ブラッサムズの2024年度の戦績は、関東医科歯科リーグ参入1年目の今年レベルの違いを見せつけられた。

 初戦の順天堂大学医学部にこそ、21-14で辛勝したものの、勝利はその一試合だけで、後の6戦は全て50点差以上の大敗だった。勿論リーグ最下位で、1年目でリーグ脱落のピンチだったが、入れ換え戦には何とか勝利した。サークルと部活の差を見せつけられた。

 「練習時間の違いかな?」

 「それはあるかもな。でもこれ以上練習時間は増やせない。」

 「土日の練習試合増やすとか?」

 「とは言え、土日の練習参加は任意だし。」

 危機感を持つのは、来季も2年連続で主将を務める事が確定している一兵と山川位だった。来季の目標はリーグ最下位脱出とリーグ制覇である。2025年度の目標は課題のオフェンスラインとディフェンスライン、そしてrunプレイの強化である。

 「いよいよ、現役ラストイヤーだな一兵。」

 「ああ。何とかして優勝したい。そしてブラッサムズの未来に繋げたい。」

 「まずはビデオ検証から始めないとな。」

 「ん?」

 「見返したくないかもしれないけど、俺達の何がいけなかったのか、弱点を検証しよう。」

 「ビデオ担当はセツ菜ちゃんか…。」

 「でもちゃんと撮れてるよ?」

 「あーあ、いかん。ラインがしっかり当たれてない。」

 「ディフェンスラインの崩壊は深刻だな。」

 「センタータックルの山ノ井以外はラインバッカーやディフェンスバックも仕事が出来てない。」

 「この試合もそうだ。ラインコントロールが出来てない。ワイドレシーバーにパスを供給出来ず、サックを決められちまってる。」

 「runプレイも有効じゃない。」

 「とにかくディフェンスラインとオフェンスラインの強化が必要だ。俺達もどうすれば良いか、幹部部員の中だけでも共有しておこう。」

 「当たれてないって事は日頃からタックルの数が少ないんだ。難しい事じゃない。」

 「簡単に解決出来る問題なのか?」

 「ああ。それだけじゃない。今のブラッサムズの弱点はある。」

 「具体的にはラインバッカーとワイドレシーバーだ。敵の攻撃を防げなかったのは、ラインバッカーにも責任がある。特にブリッツが機能していない。」

 「ワイドレシーバーは、動きが単調で相手に動きを完全に読まれている。」

 「これ等の要因が重なり大量失点になったって訳か。」

 「それだけ分析出来てるなら後は練習あるのみ?じゃない?」

 「上山先輩!」

 「俺達の代では花咲かせられなかったけど、金海や山川なら、リーグ最下位脱出と言わず、関東医科歯科リーグ制覇も夢じゃないと思うがな。」

 「まずは秋までに悔いなくプレイ出来るよう頑張れ。」

 「はい。上山先輩はどの道に?」

 「俺は陸上要員だ。特に希望ありません、何て言って後悔してるよ。でももう遅い。だから、腹くくってるんだ。」

 「上山先輩ならどの道でもやってけますよ!」

 「ま、2025年度はチーム一丸となってしっかりな!」

 こうして2025年度(第4学年)現役ラストイヤーを向かえた。

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