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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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3年次夏期定期訓練②

 「今回は洋上給油とヘリコプター訓練を行う。簡単な訓練だが、しっかり見ておくように。」

 「はっ!」

 すると、いずもと並走している補給艦ましゅうが給油ホースを出して来た。

 「あれをキャッチして燃料を補給開始だ。」

 「凄いな。洋上だぞ?」

 「補給は日本の御家芸だからな。」

 給油は2時間程で終了した。

 「あれ見てみろ。給油してねーな。」

 「え?どういう事?」

 「訓練だから燃料補給はしてないみたい。補給訓練って訳だろ。」

 「補給艦離れます!」

 「補給訓練は終了か…。」

 「防衛医科大学校学生諸君、どうだね海上自衛隊の誇る補給技術は?」

 「訓練とは言え、世界最高水準の操艦技術でした。」

 「明日はもっと凄いものが、見られるよ?」

 「はい。勉強になります。」

 「君の名は?」

 「金海一兵です。海上要員であります!」

 「金海学生、明日はF-35に乗れるぞ?」

 「え?ヘリコプター訓練だと伺っていましたが?」

 「対潜ヘリコプターの他に米国海兵隊のF-35Bが3機いずもに着艦する予定なんだ。」

 「折角の機会だ。米国海兵隊に交渉してみるよ。駄目なら海上自衛隊のSH-60Jヘリで我慢してくれ。」

 「いえ。貴重な体験の機会をありがとうございます。」

 翌日…。

 「金海学生喜べ‼4人限定だがF-35Bに搭乗出来る事になった。人選は君に任せるよ。」

 「はい。では自分と妻のセツ菜、中隊長の山川とその妻良子の4人でお願いします。」

 「では他の学生はヘリコプター訓練に回ってくれ。」

 「大越二尉、よろしく。」

 「こちらです。」

 「いやぁ凄かったね。」

 「垂直離陸凄かったな。」

 「ヘリコプターも5機同時運用。流石だな。」

 「将来の航空自衛隊でのF-35Aの運用の勉強になったわ。」

 「私、初めて戦闘機に乗れて感動した。」

 「私もセツ菜と同意見だわ。」

 「米国側は日本人を乗せるの嫌がられたみたいだけど、防衛医科大学校学生なら問題無いって事になったみたい。一時間もフライトしてくれるなんて余程英会話が上手く行ったようだな。お互い。」

 「並の自衛官では30分。幹部でも40分が限度。流石は天下の防衛医科大学校学生だな。」

 「この貴重な訓練レポートは、後日防衛医科大学校の方から御送りさせて頂きます。」

 「それはありがたい。4人分頼むよ。」

 「是非。」

 「おーい!一兵?」

 「今行くよ。」

 「じゃあ仲間が待ってますんで。失礼します。」

 そして迎えた訓練最終日。

 「訓練最終日は対潜ヘリコプター10機同時運用を見て頂きます。山川中隊長、これはシビリアンには絶対に見せられない訓練だ。しかと見届けよ‼それから金海一兵学生君が防衛医科大学校を卒業し立派な医官になった暁には、是非このいずもに乗艦して貰いたい。それまで励め。」

 「はい。」

 「随分気に入られた様だな。」

 「これは返す約束だもんね。」

 と言われるとスマホやPCと言った電子機器が返却された。寝室の片付けを終えると、山川中隊長が3年次夏期定期訓練の終了を、いずも艦長鬼塚英夫一等海佐に報告して、受理され21日間の洋上訓練は終わった。

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