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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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3年次夏期定期訓練①

 3年次の夏期定期訓練は、海上自衛隊部隊実習である。場所は海上自衛隊横須賀基地である。訓練内容は、護衛艦いずも内にて航海実習及び搭載ヘリコプターを行う。

 「おい、一兵いずもだってよ?空母だよ。空母。」

 「まぁ、実際にはヘリ空母として建造されたんだけどね。」

 「でも、それは建前で今じゃF-35Bを運用出来る様に甲板を改造した立派な空母じゃないか?」

 「それは否めないけど、日本政府はあくまでもヘリ空母として認識している。」

 「まぁ、そんな事はよしとして、そんな艦で航海実習なんて最高じゃないか?」

 「一兵は嬉しくないのか?海上要員のくせに。」

 「普通の護衛艦が良かったよ。」

 「贅沢言うな。」

 政府の解釈はどうであれ、いずもクラスの護衛艦は運用方法から見ても、空母と言える全通甲板を持ち、F-35Bの発着を可能にする様に甲板改修したのは事実だ。

 「ねぇ?空母って何?」

 「え?セツ菜ちゃん、そこから?」

 「航空母艦の略称で、太平洋戦争中は最大8隻の空母を運用していたけど、戦後長らくは専守防衛を逸脱する兵器として、保有が禁じられていたけど、ヘリ搭載護衛艦と言う名目で、空母と言える大型艦が登場したと言う訳だ。ちなみにいずもクラスの護衛艦はあの戦艦大和と同じくらいの大きさなんだ。」

 「大和?」

 「とりあえずデカイ船って訳だよ。」

 「防衛医科大学校学生男子60名、女子20名計80名、21日間よろしくお願い致します。」

 「毎年、毎年御苦労様。」

 「中白(なかじろ)一佐よろしくお願いします。」

 「うん分かったよ。後はこっちで面倒みるから。大越二尉、よろしく。」

 「はい。」

 「防衛医科大学校学生の皆さん、こちらに集合して下さい。」

 「おい、皆集合だってよ?」

 「これから乗艦手続きをしますので、小隊毎に整列して下さい。中隊長は?」

 「自分です。山川と言います。」

 「山川学生、以下に述べる物は艦内に持ち込めませんので、回収して提出して下さい。スマホ、PC、等のデジタル機器です。」

 「っちゅうことで、皆スマホ預かるぜ。」

 「隠して持ち込んだら懲罰の対象になるから気をつけろ。」

 「大越二尉、以上です。」

 「了解。今年の学生は身軽で助かるよ。」

 「訓練終了後必ず返すから安心して。」

 「はい。」

 「じゃあ、第一小隊から順に居住スペースに案内するから、待機して。女子学生は石山一曹の案内に従って下さい。」

 「流石に潜水艦と違って居住スペースは広々だな。」

 「でも、2段ベッド…。」

 「贅沢言うな。いくらお客様でもな。」

 「セツ菜達はどうかな?」

 「女子学生は女子隊員の居住区に入ったよ。」

 「大越二尉?飯は何処で食べますか?」

 「男女共有の食堂があるよ。それが何か?」

 「いぇ、何でも無いっす。」

 「じゃあ今日は初日だし風呂入って飯食って寝てくれ。ここは0600起床2200就寝だからよろしく。」

 「はい。了解しました。」

 こうして防衛医科大学校3年生は護衛艦いずもに乗艦した。

 「明日からはお客様じゃねーよな。きっと。」

 「ああ、何と言っても天下の海上自衛隊だからな。」

 「俺寝るわ。」

 「早くね?」

 「どうせ明日からは猛訓練だ。こう言う時はさっさと寝るに限るわ。」

 「あっ、そう…。」

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