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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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74/200

3年次体育祭③

 打ち上げは1600開始2000終了予定であった。

 「丸道実行委員長、乾杯の音頭を!」

 「えー。こう言う挨拶僕は嫌いなんで、体育祭実行委員会の諸君、グラスの準備は出来てますか?二十歳未満はアルコール禁止な。ジュースで悪いな。ほな1、2、3、乾杯!」

 「流石、丸道先輩分かってるじゃないですか?」

 「ほら、よくこの場を借りてなんて言うて長長しいスピーチ始めちゃうオッサンおるやろ?そう言うの昔から嫌いなんよ。だからこう言う席では乾杯!だけでええねん。山川今年もよーく頑張ってくれた。金海もありがとう。」

 「一兵?丸道先輩酒弱いみたいだな。こりゃあ自滅するタイプだな。」

 「丸道先輩アメフトの時もファンブル多いもんな。」

 「それはあんまり関係無いと思うけど。」

 「あー、今年の体育祭も疲れた。」

 「良子?どないしたん?騎馬戦で大将騎を務めたのがそないにしんどかったか?」

 「もう、人が足りないからって、体育祭実行委員のメンバーは競技には参加しないんじゃないの?」

 「原則参加せずだから緊急事態の時は良いんだよ。」

 「競技の審判にとフル回転でもうへとへと。それでも、お酒飲んだら回復した。」

 「今日はきっとよく眠れるな。」

 「そうね。」

 「私はヘロヘロ。まさか大将に抜擢されるとはね…。」

 「モヤシ娘で最軽量だったからじゃないの?でも戦っている時のセツ菜は勇猛果敢で超イケてたよ?」

 「ちょっと一兵、皆の前で。」

 「一兵君?のろけてる場合?大体、体育祭実行委員の競技参加は本来NGなのよ?ばれたらヤバイのよ?」

 「ま、もう終わった事なんだし良いんじゃね?」

 「つーか、4年生の体育祭実行委員も普通にしれっと競技参加してたし。」

 「各学年80人しかいないんだから仕方無いよ。それに、5、6年生は看護学科卒業してるから80人いないでしょ?」

 「確かに俺達の学年も看護学科5人いるから、5年次からは75人体制になるしな?吉永?」

 「お、おう。看護学科はあと、1年半で看護師資格をとって防衛医科大学校とはおさらばだよ。そのまま幹部候補生学校に直行。それから部隊配置って感じかな。」

 「やっぱ、看護師とは言え幹部自衛官に違いは無いのか?」

 「じゃなきゃ、わざわざ防衛医科大学校の看護学科なんて選ぶかよ。」

 「部隊配置は早いけど、新人研修やら何やらで、自衛隊病院での実習が3年は続くらしい。」

 「俺達医学科もかなり研修医時代が長いみたいなんだ。」

 「よっしー後2年切ってるじゃん?卒業したらくるみちゃんと離れ離れになっちゃうよ?」

 「ま、そのうち隊舎からは出るつもりだから、くるみも幹部候補生学校を出たら立派な幹部自衛官だ。賃貸のアパートでも探して営外通勤を考えているよ?」

 「二人の将来は二人のものだけど、営外暮らし焦る必要ないと思うよ?」

 「私もそう思う。でも心配は要らないわ。それくらい、よっしーが成長してるのも事実。」

 「ありがとう。金海夫婦。」

 「って感じなんすよ。どう思います川下一曹?」

 「隊舎暮らしから脱け出してぇのは誰も同じさ。でも4年~6年も隊舎暮らしに慣れてしまうと、今度はその沼から脱け出すのに勇気が必要になる。特に結婚してるなら尚更だ。隊舎暮らしをしないって事は、飯や風呂の準備をしてくれる奴もいない。子供が生まれたら、奥様は育児で手一杯になる。もったい無いことに防衛医科大学校や防衛大学校を卒業した優秀な人材が結婚を機に退官するケースも少なくない。育休を取ると価値観変わってしまうんだよな。女も男も。そんなケースは沢山見てきたが、金海グループの御曹司の貴様なら、別に医官じゃなくても、食い扶持はあるだろう?まぁ、そんな事俺が決めるもんじゃねーし、たかが一曹の俺が指図する事じゃあないよ。」

 「まぁそうなんですけど。」

 「もう学生結婚をしてるし、引くに引けない所まで来ちゃっているのは金海も山川も同じだな。」

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