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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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3年次体育祭②

 応援合戦の無いプログラムは防衛医科大学校史上初の出来事であったが、それでも騎馬戦の回数が倍になっているなどして、丸道先輩らしい盛り上げ方であると、山川や一兵は信じていた。

 そして体育祭当日2024年5月下旬、防衛医科大学校の日を迎えた。何と言っても今年のメインイベントは前半2回、後半2回ある伝統の騎馬戦である。応援合戦をデリートした分それだけ各学年気合いが入っていた。

 出せる騎馬は各学年5騎まで。(4×5=20名)学年対抗戦で、最後まで大将騎を残せたチームの勝利である。順位に応じてポイントが各学年に振り分けられ、各種目と騎馬戦の合計ポイントが最も高いチームが優勝となる。(通称並木杯)体育祭実行委員は公平を期すため競技には原則参加せず、審判や得点の集計に回る。

 「いいなぁ。俺も騎馬戦出たかったな…。」

 「お前は夜の騎馬戦があるだろうが(笑)。」

 「何だよそれ?下ネタ言ってる場合か?」

 「体育祭の優勝カップ並木杯って言うんだね?」

 「こちらとら1年生の時から体育祭実行委員やってんだぜ?知ってたよ。」

 「あーあ。早く終わらないかな。打ち上げでビール飲みたい。」

 「ちゃんとその対価に見合う仕事しろよ?」

 「あーあ、ちょいちょい。喧嘩は御法度だよ?」

 「分かってますよ。」

 騎馬戦午前の部を前に各学年女子も含めて作戦会議を各学年は開いていた。

 「大将騎馬は、女子の方が良いと思うんだけど?」

 「それじゃ野郎の餌食だぜ?」

 「女子の方が機動力効くし一回試して見ようよ?他の4騎は専守防衛で!」

 「知らねーぞ?6年騎とかマジで脅威だわ。」

 「他学年が潰し合いをしている所に奇襲を仕掛けるのはどうだろう?」

 騎馬戦で専守防衛って意味不明だと思っていたが、これはこれで良い戦いをしている。山川の指示通り作戦は成功し1回戦は2位と好着順を見せた。パン食い競争で1位をとっていた3年生チームは、その勢いに乗り2回目でも2位と好着順。メンバーを入れ換えて臨んだ午後の騎馬戦2回とも1位をとり、山川の専守防衛作戦が当たった形となった。

 そして結果発表。3位4年生、2位6年生、1位3年生‼山川や一兵達は初めて並木杯を手にした。ギャラリーは熱狂冷めやらぬままに体育祭は終了した。一応確認の為再集計したのだが、順位に変動は無かった。スッキリ晴れたこの日、防衛医科大学校第2グラウンドで行った体育祭の来場者は約1万人に及び、防衛医科大学校史上最も観客を集めた体育祭となった。

 終了時間は1500。後片付けも巻いて1600から食堂で打ち上げだ。とは言え、その前に大混雑の風呂に入る必要があった。カメラ係だった一兵は弾ける笑顔のセツ菜や良子や先輩後半のハツラツとした笑顔を見返し悦に入っていた。

 「なぁにカメラ見てニヤついてんだよ?ま、まさかカメラ係が盗撮魔!?」

 「んな訳ねーだろ?」

 「確認の為俺にも見せろ。」

 「良子さんの所だけだぞ?」

 「何だよこれっぽっちかよ?」

 「まぁ、盗撮魔ではないだろ?」

 「健全な写真ばかりだがな。一兵広報とか向いてんじゃね?」

 「はぁ?高々体育祭でパシャパシャしてただけだぜ?」

 「幹部医官の資質とは違うかも知れないけど。」

 「さぁて、打ち上げの時間だぜ?」

 「行っちゃいますか?」

 「山川、カメラカメラ!」

 「あ、川下一曹こんにちわ。」

 「何だ?宴会ならまだだぞ?」

 「並木杯貰ったんでその報告を。それとこれ見て下さい!一兵の奴が撮ったんですよ?」

 「凄いな。流石じゃないか。」

 「これでまた思い出が一つ増えました。」

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