クラブ活動開始
「一兵も山川君も入るなら私も入ろうかな。」
「え?マジで?やったー!」
「山口部長には俺から伝えておくよ。いやぁ、嬉しいな。これで土日の憂鬱が無くなるよ。」
「そうね。クラブ活動は強制じゃ無いけど、何もやらないよりは良いもんね。アメフトの事何も分からないけど、よろしくね一兵。」
「おう!任せろ!」
NDMC(防衛医科大学校)には約20個のクラブがある。球技がメインだが吹奏楽部等の実力のある文化系クラブもある。
「尾崎!女子マネージャーなんて宝物を見つけて来るとは、大したものだよ。それに丸道も筋が良いって誉めてたぞ?こりゃあこの先楽しみだな。」
「ありがとうございます。」
「入隊してまだ一週間経ってないだろ?」
「はい。」
「バタバタしてるだろうから、練習参加は次の週末からにしろ。」
「はい。山川とセツ菜にも伝えておきます。」
「よろしく。」
「って事だ。セツ菜は女子マネージャー、山川は新入部員て事で。来週の土曜日から練習来いって。」
「うん。了解。」
「どーせ週末やる事ねーしな。体力つくし一石二鳥じゃん?」
「二人とも改めてよろしくね。」
そして、防衛医科大学校学生として迎えた二度目の週末。
「オーイ!こっちこっち!」
「山口部長!」
「山川つよしと申します。」
「金海セツ菜です。よろしくお願いします。」
「おう。よろしく。」
「NDMCの球技系クラブで、女子マネージャーが入るのは珍しい事だからな。サポートよろしくな金海!」
「うちはブラッサムズと言うチーム名でやってる。桜から来ている。」
「オーイ!みんなハドル(集合)。うちは少数精鋭で主に4年~1年が活動している。全部で30人位かな。ブラッサムズの目標は関東学生医科歯科リーグの一部定着さらには優勝が目標である。」
「山口部長。と言う事はオフェンスチームもディフェンスチームも顔ぶれは変わらないと言う事ですね?」
「まぁ、そうなるがオフェンスリーダーとディフェンスリーダーはちゃんといるからな?」
「なるほど。山川の奴も早く試合に出られる様に鍛えてやって下さい。」
「厳しいぞ?」
「挑むところです。」
「マジかその反応。」
「だがな尾崎。クラブ活動は"おまけ"だ。NDMCは勉強と訓練の自衛隊幹部医官育成の場所だ。そこの所はおのおのしっかりやってくれ。」
「はい。」
「山口部長?監督やコーチはいないんですか?」
「はっはっは。いる訳ねーだろ?NDMCは生徒の自主性を重んじている。ブラッサムズは創部以来監督やコーチはいないんだ。」
「防具やヘルメットは、おい!上山(2年)案内してやれ。」
「おい、こっちだ。沢山余ってる。好きな物を選べ。」
「山川さまになってんじゃん?」
「一兵カッコイイ!」
「お前らもしかして…?」
「はい。付き合ってます。」
「なんだ、そう言う事か…。」