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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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2年次日米共同訓練

 2024年2月14日~21日まで、陸上自衛隊習志野駐屯地で、米国陸軍特殊部隊デルタフォースと陸上自衛隊特殊作戦郡の日米の誇る陸上特殊部隊による共同訓練が行われ、防衛医科大学校学生も参加する事になった。

 「おいおい。デルタフォースと習志野で訓練って事は陸上自衛隊特殊作戦郡も黙っちゃいられないな。」

 「山川?一人で何ブツブツ言ってんの?」

 「一兵?こんな訓練一生に一度あるかないかの訓練だぞ?」

 「へぇーそうなんだ。で、今回の日米共同訓練に防衛医科大学校学生が参加する意味って何?」

 「意味?そんなもんねーよ。俺達は見てるだけさ。お呼びはかからんだろうな。」

 「演習が始まったぞ!」

 「あれがSV-オスプレイか?格好いいな。」

 「ねぇ?一兵、私達何しに来たの?」

 「何か指示されるまでは何もするなって。」

 「そうなのつよし?」

 「何かやるとしても後方支援任務だろうな。」

 「おい!学生達!これを着けて!」

 「医療班?」

 「何すかこれ?」

 「見ての通りだ。防衛医科大学校学生諸君には模擬トリアージをお願いしたい。」

 「トリアージ?」

 「状態を見て色分けするやつか。」

 「考えたな。戦場トリアージ訓練は貴重な体験になるぜ。」

 「2年!急げ!ボサッとしてんな!」

 「はい!」

 「俺は赤タグだ。」

 「え?」

 「いいから赤タグをつけろ!」

 「俺は黒タグだ!」

 「はい!」

 と、こうして陸上自衛隊の精鋭に指示されるまま、模擬トリアージを行った。

 「何だよ?言われるがままじゃねーか?」

 「まぁ、そういきり立つなって山川?訓練なんだから。」

 結局、日米共同訓練の間の7日間を全てトリアージ訓練に費やした。

 「防衛医科大学校学生諸君。トリアージ訓練は心苦しい事もあっただろう。しかし、実戦では君達の判断が、最後の砦になる。しっかりと頼むぞ。」

 「はい!」

 陸上自衛隊の飯は口に合わなかったが、慣れればどうと言う事はない。

 「訓練だったから良かったけど、実戦となったら、トリアージをして治療もしなくちゃならないんだぞ?」

 「それはどの部隊でもそうだろ?」

 「デルタフォースの状態が分からなかったのは残念だったな。」

 「そうだな。」

 「デルタフォースってそんなに凄いの?」

 「世界最強の陸上部隊だぞ?良子は勉強不足だな?」

 「じゃあ陸上自衛隊特殊作戦郡も凄いって事?」

 「勿論、日本最強の陸上部隊だ。」

 「本来なら防衛医科大学校学生に与えられる訓練じゃないな。」

 「じゃあ何で今回は俺達にこんなミッションを?」

 「陸上自衛隊も人手不足なんじゃね?まぁ、実際の所は防衛省(うえ)の判断だからな。」

 「おー。懐かしき我が家(桜寮)だ。先ずは川下二曹の飯だ!」

 「あ、今日は桜カレーか。」

 「う、うめぇ!」

 「陸上自衛隊の飯は口に合わなかったか?」

 「やっと慣れて来た所ではあったんですがね。」

 「でも桜飯に慣れると離れられないっすね。」

 「そうか。それは困ったな。」

 と、ジョークを言える位の余裕は残っていた。

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