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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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防衛大学校と防衛医科大学校の違い

 防衛大学校と防衛医科大学校は、言うなれば理系大学と医学部位の差がある。また、防衛大学校と防衛医科大学校では、就学期間も異なる。防衛大学校は4年、防衛医科大学校は6年。訓練内容も学ぶ内容も異なる。防衛大学校は一般的に卒業すれば自動昇格するが、防衛医科大学校は違う。防衛医科大学校学生は卒業前に医師国家試験(看護師国家試験)に合格せねばならない。

 キャンパスも並木(所沢)と小原台(横須賀)では全く違う。定員も防衛大学校が約2000人近くいるのに対して、防衛医科大学校は6学年合わせても480人と防衛大学校の4分の1の定員である。また、防衛大学校の方が20年近く創立が早く一般的に自衛隊の幹部候補生を目指すなら、防衛医科大学校よりも2年も早く現場に出られる防衛大学校を目指すのがセオリーである。

 また、正式に自衛官に任官しても、出世が早いのは防衛大学校卒業者と言われており、慣習として国民の認知度の高く、入学難易度もハードルの低い防衛大学校を目指すのが一般的である。自衛隊で医者をやりたい、そんな変わり者が行くのが、防衛医科大学校である。諸外国で言う所の軍医を育てる場所であり、防衛大学校とは育成カリキュラムやメソッドが全く異なる。

 学生手当ての支給や被服の貸与や食費や学費が税金で賄われていると言う点は同じであるが、1日のタイムスケジュールも全く違う。学生寮に居住する点は同じであるが、防衛大学校の様に1部屋に4学年を混合するという様な独特な伝統は防衛医科大学校にはない。ただ、学生主体の体育祭や文化祭等はあり、男女共学化している両校であるが、まだまだ男女比で言えば男子の比率が多い。また、防衛大学校では留学生を受け入れているが、防衛医科大学校では、留学生を受け入れていない。防衛医科大学校では学生結婚を可能としている。防衛大学校も任官拒否者(自衛官にならない者)には、学費等諸経費の返還を請求する様になったが、防衛医科大学校では、9年未満で自衛隊を離職する場合は、卒業までの経費を召還するという事(約5000万円)が明確に規定されている。

 相次ぐ自然災害やPKO(国際平和維持活動)への参加等により、国民の信頼を得てきた為、昨今はあからさまな自衛隊批判はほとんど無くなったが、それは防衛大学校や防衛医科大学校の学生にも言える。いずれにせよ、防衛大学校も防衛医科大学校も防衛省の下部組織であり、防衛大学校学生及び防衛医科大学校学生は特別職国家公務員であり、次世代の自衛隊幹部候補生と言える学生である。その点に於いては防衛医科大学校も防衛大学校も同じである。

 特に、防衛医科大学校は看護学科を含めて1学年たったの80人(男子60人、女子20人)しかおらず、少数精鋭である。諸外国と比較しても、この数は決して多いとは言え無い。とは言え、闇雲に自衛官を増やす事は法律と憲法が許していない。いずれにせよ、現況の世界情勢を鑑みて防衛大学校や防衛医科大学校の定員は決められるべきである。

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