2年次体力検定
体力検定も2年目ともなると、コツと言うものが分かるらしい。セツ菜や良子さんは、マネージャーの仕事の傍ら隠れて?筋力トレーニングをしていたらしく、昨年度よりも全種目で成績アップで、体力検定Aランク判定を貰っていた。喫煙により、3000メートル走のタイムが少しだけ落ちた一兵と山川だったが、学年1、2フィニッシュで、難なくA判定を貰っていた。
「敵無しだな。」
「当たり前だぜ。」
「並木の鬼って奴だな。」
「何それ?」
「俺達敵無しじゃん?」
「調子乗んな、バァカ。」
「たかだか60人の1、2位なんて井の中の蛙大海を知らずだぜ。」
「そうでもないよ?」
「吉永!?」
「お前等の記録現役自衛官の平均より上だぞ?」
「マジか?」
「凄いなお前ら。俺なんてB判定がやっとだよ。」
「ま、健闘したんじゃない?で、早坂とは上手く行ってんの?」
「ああ、くるみとは上手くやれてるよ。くるみもようやく自衛官の生活に慣れてきたらしい。交際は順調だよお陰さまで。」
「この一兵様のお陰だな。」
「ああ、一兵様のお陰です。」
「ま、看護師の国家試験対策もしっかりやれよ?」
「そうか。看護学科は4年で卒業だもんな。」
「そう。もう折り返し地点。」
「時の流れは早いな。」
「吉永って奴良い奴だな。」
「ああ、あいつは友達少ないけど、凄く良い奴だよ。」
「陸上自衛隊に志願したって話じゃないか?」
「ああ、それがあいつの選択なんだ。」
「医学科の俺達とは立場が違うからな。」
「2年も早く現場に出るって事は、階級も同じか上回っている可能性が高いな。」
「そこは防衛大学校と同じ感じなんじゃない?」
「まぁ、詳しい情報は分からないけど、医学科は、医師国家試験に合格すれば二等陸海空尉で任官だから、まぁ、階級の事は気にしなくて良いんじゃない?」
「とにかく、俺達はやるべき事をやるだけだ。」
「課業終了だぜ。セツ菜?今日のメニューは?」
「筋力トレーニングよ。プロテインは作っとくね。」
「よろしくお願いします。」
「あれ?良子は?」
「先に来てるはずだけど?」
「おい!良子!危ないじゃないか。」
「どのくらい重いか確かめてたところ。」
「怪我するからヤメレ。」
「重くて重くて。(笑)」
「時間は無いんじゃなくて作るものだって?このトレーニング本に書いてあったわよ。」
「2時間は少ないかもしれないけど、如何に効率良くトレーニング出来るかが大事だよ。」
「そうだな。ありがとう二人とも。」
「プロテイン出来たわよ。」
「いっただきまーす。」
「よーし。今日はこのプロテイン飲んでフィニッシュしようか。」
「はい!」
「早くグラウンドでやりたいな?」
「そうだな。正式なアメフト部になったら、人工芝にしてやるなんて副校長が言ってたもんだから、それで今はグラウンドが使えない。4月の新入生入学迄には間に合わせるって話だけど?」
「まぁ、副校長の計らいだ。ありがたくやって貰おう。」
「つーかその話をとりつけたのって誰?馬場先輩?野上先輩?まさかセツ菜?」
「そーんなの誰でも良くね?」
「確かにな。」