単位の取り方最終日
パパラパッパ。
「くそっ!もう朝か!?早く作業着に着替えないと。」
「X小隊異常ありません。」
「中隊長に報告。第一小隊異常ありません。」
「尾崎?遅いぞ!」
「すみません。」
「一回目は見逃してやる。以後遅れない様に。」
(中隊長今日から野上さんかよ…。早く夏休みにならねぇかな…。学生長めんどい。)
(6時には起きてる様にしよ。あ…。セツ菜が他の女性隊員と仲良くしてる。さては一昨日のよろしくの会で上手くはまったな?セツ菜の奴、友達なんかいらないって言ってたのに。)
「一兵?おはよう。どしたの?何かあった?」
「あ、ああ何でもない。セツ菜おはよう。」
「一兵の奴どうしたんだろうな?今日は日朝点呼でも遅れ気味だったし。」
「山川君もそう思う?私のせいかな?」
「いや、セツ菜ちゃんのせいじゃないよ、きっと。」
「えー。今日は単位の取り方の最終日だ。医官に相応しい人材を育てるカリキュラムと題して1年次~6年次まで計507単位を履修する。」
「訓育①30-②24-③25-④11-⑤10-⑥18単位計118単位。」
「徒歩教練①33-②4-③8単位計45単位。」
「体育一般①19-②8-③8-④4-⑤4-⑥4単位計47単位。」
「水泳①24-②32単位計56単位。」
「スキー②31単位。」
「教育法③16単位。」
「部隊実習①26-②72-③56-④24-⑥16単位計194単位。」
「これ等を医学教育の間に行う。ついてこれない奴もいるかもしれないが、容赦はしないぞ。覚悟しておくように。詳しい事は先輩に聞くと良いぞ?」
「では、教科書の配布をもってオリエンテーション授業[単位の取り方]は終了する。以上別れ。」
「重っ!?結構大きめなボストンバッグ持って来て良かった。3年の田口先輩や堂上先輩もアドバイスくれたしな。」
「山川?俺アメフト部に入ろうと思うんだけどお前もどう?」
「クラブ活動は別に強制じゃ無いんだろ?」
「まぁ、そうなんだけど、クラブ活動をしていると、昇進に有利になるらしいよ?」
「え?マジで?どうしよっかな?」
「山川はガタイも良いし、良いLBになれるよ。」
「じゃあ俺もアメフト部に入ろうと思うんだけど、良子に相談してからにするわ。」
「分かった。ちなみにNDMC(防衛医科大学校)は関東大学医科歯科リーグの2部に所属していて目標は1部昇格。だろうね?」
「一兵は何処のポジション?」
「QBだよ。」
「勿論、1年からレギュラーを取るつもりはないけどね。」
「アメフトかぁ…。高校までバスケやってたから畑違いだぜ?」
「大丈夫だよ。とりあえずアメフト部の先輩に挨拶して来ようぜ。」
「一兵?だから俺は良子に相談してからにするって、聞いてねーし。おい。」
「尾崎に山川か。両名の入部を歓迎する。部長の山口(4年)だ。でポジションは?」
「自分がQBで、山川がLBです。」
「尾崎は経験者か?」
「はい。明王高校ネプチューンズで3年間鍛えられました。」
「だったら即戦力だな。」
「期待のルーキーですね部長。」
「丸道先輩!?」
「なんだ、知り合いか?」
「同中隊でして。」
「ちなみに丸道さんはポジションどこなんですか?」
「QBだよ?」
「一兵、ポジション丸かぶりじゃねーか?」
「そんな事より活動は月曜から金曜の平日がPM1730~1930で、土日はAM0900~PM1700でやってる。マネージャーも募集してるよ。」
「セツ菜に声かけてみるか…。」
「一兵がアメフト部入るなら私も入ろうかな。でもどうしよう?」