2年次体育祭③
次々と大将騎馬をなぎ倒して行ったのは、2年B騎(山川、一兵)だった。残すは優勝候補筆頭の6年C騎だった。
「山川?後一歩で優勝だが、支える側も限界が近い。」
「分かっているって。狙うのは6年の大将騎馬だ。行くぞ!」
「2対1か…。こっちが不利だが山川の狙いはあくまでも大将騎か…。」
「ねぇ?良子、すごいよ‼あとは6年の大将騎だけだよ?優勝見えてるじゃん!」
「うん。祈ってる。つよし達ならきっとやってくれる。」
「よし。こうなれば6年の援護騎は無視して良い。大将騎馬との1ON1だ。あっ。しまった!足が滑る‼が踏ん張る。」
「どっちが優勝か?勝ったのは?」
「2年B騎だ!」
結果的には、メインイベントの騎馬戦は勝てたが、他の種目では体力的に勝る上級生に歯が立たず総合優勝は逃した。閉会式では騎馬戦MVPの山川つよしが賞状を授与された。グラウンド整備や大会本部のばらしも終わり、時刻は1600になっていた。
「よーし。体育祭実行委員会の皆のお陰で今年も無事体育祭を終えられた。その労いとして1630~1930まで打ち上げパーティーを行う。入浴を済ませ食堂に集合してくれ。以上、解散。」
「なんか達成感あるな?」
「真面目に取り組んだからよ。」
「シャワーお先、一兵。」
「山川、ちょい待てよ。」
「急がねーと打ち上げパーティー間に合わねえぞ?」
「川下二曹も人が悪いよな。こう言う打ち上げパーティーがあるなら事前告知して貰わないと。」
「田口君からきつーく箝口令をしかれてね。」
「川下二曹、口堅いもんな。」
「よーし。皆集まったか?体育祭実行委員会の解散式を兼ねた打ち上げパーティーを行う。1年生と2年生はソフトドリンクで勘弁な。お疲れ様でした!カンパーイ!」
「一兵!」
「セツ菜?」
「探したわよ?」
「山川とあっち行ったり、こっち行ったりしてたからよ。ごめんごめん。」
「何?お酒飲んでるの?飲みすぎないでよ?」
「二十歳越えてるからね。セツ菜はどうだった体育祭実行委員をやりながらの体育祭は?」
「来年もまたやりたい。」
「そっか。お疲れ様!」
「ねぇ?一兵君?つよし知らない?」
「今はアメフト部の先輩達と飲んでると思うけど?」
「じゃあ、後にしよ。セツ菜?一兵君放しちゃ駄目よ。」
「良子もお酒飲んでるの?」
「私もう20歳だし。」
「酒癖悪そうだから深酒はやめてね。」
「セツ菜御嬢様に言われなくても分かっているって。」
「じゃあ、一兵君セツ菜の事よろしくね。」
「大丈夫かな?」
「駄目ですって田口先輩!」
「つーよーし?ちょっとこっち来て。」
「何?山川の彼女?山川行ってやれ。」
「すみません…。」
「空気読めよ。つーか酒飲んでるの?」
「おだまり。」
「酒癖悪っ。」
「私より先輩が大事なんだ?」
「そうじゃないって。俺にも付き合いがあってな…。まぁ、今日はお疲れ様。一兵の所行ってて。」
「仕方無いわね。」
こうして2年次の体育祭は幕を閉じた。




