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2年次体育祭①

 昨年の体育祭は1年生と言う事もあり、ライトな関わり方しか出来なかったが、体育祭は並木祭と双璧を為す防衛医科大学校のビッグイベントである。今年もその季節がやって来た。

 「今年の体育祭実行委員また山川がやるの?」(この流れじゃ俺やセツ菜もやるはめに…。)なってしまった。今年は2年生と言う事もあり、企画・運営を担う体育祭実行委員会のメンバーが昨年の2人→10人に増やされたのだ。嘆いていた一兵も、昨年の数少ない体育祭実行委員の経験者である山川と良子が引き続きやると言う事で、2年生の中核を為す事は確実であった。

 この体育祭の準備の為、5月下旬~6月上旬は体育祭実行委員は部活を休まねばならず、一兵は嫌がったが、一兵の分の仕事も山川がやる事で一兵は部活に参加出来てていた。

 「名ばかりの委員のクセによくもそんなに飯が食えるな?」

 「山川、本当ありがとう。アメフトやっている方がよほど楽だわ。」

 「そう?」

 「ディフェンスバックの田口先輩が、今年の体育祭実行委員長なんだけど、あの人要領悪くてさ。いっつも…。」

 「一兵、そう言う愚痴は食堂や風呂では言わない方が良いぜ?誰が聞いてるか分かんねーからな。」

 「!?田口先輩!」

 「ああ、どうせ俺は要領悪いよ…。」

 「山川?田口先輩ショックだったと思うぞ?」

 「あとで謝りに?」

 「行かねーよ。だって体育祭まで一週間なのにまだ、POPとか作ってんだぜ?こっちは一兵の分の仕事抱えて必死なのに…。」

 「まぁ、まぁ、田口先輩もやることが無くて暇をもて余していただけなのかもしれないよ?そう攻めるなって。」

 「何?こちらとら1年生の世話までしとんのじゃい。」

 「良子さん?久し振りに山川がガチでキレてるよ?」

 「こう言う時は無視よ。無視。見ちゃダメ。」

 「セツ菜?ここは良子さんに任せよう。」

 「つよし?先輩が後輩の面倒見るのは当たり前じゃない?私達も昨年の体育祭では先輩のお世話になっていたじゃない?」

 「防衛医科大学校では自分の事は自分でやれって教わってる筈だけど?」

 「それはそうだけど、今年も先輩の世話になるのよ?違う?」

 「違わない。」

 「だったら男らしく黙々と仕事しなさいよ?私達お金貰いながら勉強や訓練してるのよ?」

 「分かっているって。文句言わずやりますよ。」

 「流石良子さん。あの怒り狂った山川を黙らせた。」

 「尾崎!」

 「どうした吉永?」

 「ちょっと手伝ってくんない?」

 「良いけど、何で看護学科の2年生お前一人なんだ?」

 「皆バックレちゃってさ、体育祭なんか勉強の何も役に立たないって。つーか医学科(そっち)10人もいるの?」

 「1年生の世話までしとんのじゃ、こっちは。」

 「看護学科の体育祭当日の救護計画の策定を手伝って貰いたいんだけど?」

 「楽勝!」

 「持つべき者は友だね。」

 「一兵?お前アメフトやんねーなら、こっちを手伝えよ?」

 「山川君、完全にボスざるだね(笑)。」

 「はい。体育祭当日の救護計画。」

 「早っ!?しかも完璧!」

 「他に手伝う事は無い?」

 「うん。ありがとう。これで間に合いそうだよ。」

 「吉永?お前いじめられてないか?他の看護学科の学生サボり過ぎだろ?」

 「ここは防衛医科大学校だよ?そんなにくだらない事はしないって。でも、教官にはチクっといたけどね。」

 「一兵ありがとう。手伝ってくれて。じゃあまた明日。」

 「吉永…。こりゃあまずいな。」

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