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先輩らしく

 「どうしたのつよし?」

 「いきなり後輩が来ると調子狂うつーか、昔を思い出すつーか…。」

 「何?喧嘩三昧だった中学時代の事フラッシュバックしてる訳?」

 「いや、そう言う訳じゃねーんだけどさ。」

 「じゃあ何なのよ?」

 「良子に手を出す奴がいたら多分、半殺しして退学になっちゃうとか?」

 「ばっかじゃないの?防衛医科大学校に来る様なエリートが先輩に手を出すはずないでしょ?例え万が一そんな事があっても、つよしの面子を潰す様な後輩はここにはいないわよ?これはつよしの取り越し苦労ね。」

 「取り越し苦労?」

 「先輩らしくって思いすぎちゃってるのよ。」

 「ああ、そうかも。」

 「そんな事でうじうじしてるつよしはらしくないよ。いつもの破天荒さはどこいったの?」

 「もっと自分に自信持ちなさいよ‼」

 その話を一兵とセツ菜に話すと、爆笑された。

 「山川?俺達もう立派な防衛医科大学校学生何だよ?」

 「一兵に言われると何かシャクだな。」

 「一般の大学ならまだしも、日本中から選ばれし80人の精鋭が集まる防衛医科大学校で、それはないって。」

 「でも、山川君の気持ち分からない訳じゃないわ。」

 「セツ菜?」

 「私、女子中学からエレベーター式で、女子高校に上がったから、山川君の気持ちよく分かるの。」

 「セントビンセント女子大学付属高校だもんな?」

 「女の派閥や覇権争いは男子のそれより陰湿で傲慢なの。私の父は防衛大臣って言うだけで、色んな人が尻尾振ってきたけど、最終的には数人しか仲良くならなかったわ。派閥や覇権争いは大人が勝手にやっているものだと思っていたから、中学・高校の時でも普通にあって、それが本当に嫌だった。でも、防衛医科大学校は年功序列だけで、そう言うのは一切無い。それは学生がスマートだから。だから私は防衛医科大学校(NDMC)を選んだの。って私の話ばかりで御免。」

 「セツ菜は平社員の窓際係長タイプ何だね?群れを嫌い、絶対に失敗しない女医。」

 「イヤイヤ、ドラマじゃねーんだから。その肩書きはNGだし、周りのドクターやナースとは、丁度良い距離感でいたいわ。」

 「その距離感て大事だね。」

 「そう言うのは群れを嫌っているって言えるんじゃない?」

 「正解。それは良いかも。絶対出世はしないだろうけど。」

 「自衛隊で出世したいなら防衛大学校に行かなくちゃ。」

 「確かにな。群れを制し覇権を握った者こそ、出世の道も開かれる。」

 「じゃあ私は出世出来ないの?」

 「それはセツ菜次第さ。」

 「セツ菜ちゃんが変われば住んでる世界も変わるよ。そんな閉じ籠ってないで、ガッツリ覇権を狙おうよ。もう立派な大人なんだし。」

 「そう言われても、私人間力低いし。」

 「まぁ、そんなに卑屈にならないで。大丈夫。困ったら俺達がついてる。」

 「一兵!」

 「芝居下手か?(笑)」

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