1年次アメフト部成績①
「え?どういう事?防衛医科大学校アメフト部は、関東医科歯科リーグに入ってないの?」
「山川すまん。嘘ついてた。」
「一兵マジかよ?凄く萎えるんだけど。」
「正式名称としてはNDMCアメフト同好会ってのが、正しいんだ。」
「え?サークルって事?」
「まぁ、平たく言えばそうなる。」
「何だか私も騙された感じがして嫌だわ。」
「良子さん、ごめんなさい。」
「どうりで公式戦が1試合も無い訳だ。」
「サークルだからさ、練習試合はあっても公式戦は無いんだ。」
「じゃあどうすれば医科歯科リーグに参戦出来る部活に成れる訳?」
「関東学生連合から部活として認定される為の認定戦に勝利する必要がある。又、アメフト部として認められる為には部員25人以上をキープしなくちゃならない。今期は30人で馬場先輩や野上先輩等4人が抜ける。来期何人新入部員が入るかは未定だが、今期は認定戦の予定はない。けれど、来年は関東学生連合に新規参入の申請を出す予定がある。だから決して辞めないで欲しい。」
「最初からそう言えよ。まぁ、一兵のせいだけじゃないけどな。」
「そうね。先輩達も何もそこには言及していなかったし。」
「創立15年の比較的若いチームだから人数集めに苦労してなかなか認定戦に臨めなかったって馬場先輩が嘆いていたよ。」
「ま、一兵が大黒柱なのに違いは無いがな。」
「でも練習試合では、医科歯科リーグ1部のチームにも善戦したじゃん?」
「練習試合だからね。相手もガチでやってないよ。」
「マジかよ?あの強さで手抜き!?」
「それが現実だよ。」
「でも練習ちゃんとしてるじゃん?」
「いくら練習実績があったとしても、関東学生連合が認めなきゃ、アメフト部には成れないんだ。」
「でも防衛大学校は関東大学リーグ2部に属してるじゃないか?」
「防衛大学校はスポーツ系又は文化系の部活に強制的に入らなくちゃいけないから、アメフト部にも人が集まりやすいんだ。それに創部も、防衛大学校の方が遥かに古い。」
「俺達と同じ様な環境で、関東大学2部リーグって凄くない?」
「防衛大学校に出来て、防衛医科大学校に出来ない事はないわね?」
「同じ舞台では戦えないけど、せめて医科歯科リーグに参入する事は出来るはずだ。それが今の防衛医科大学校アメフト同好会の悲願なんだ。」
「ま、頑張ろ!」
「セツ菜?」
「だな。」
ちなみに防衛大学校との定期戦が行われる様になって10年。対戦成績は2勝8敗と防衛大学校アメフト部に圧倒されている。
「今期の1勝は大きいわね?」
「春先のチーム力がまとまらない等、様々な理由で俺達ブラッサムスが負けてたんだと思う。まぁ、まずは関東学生連合に認定されないと話にならないんだがね。」




