1年次創立記念行事
防衛医科大学校は、1973年(昭和48年)4月に第1期生が入学。1985年(昭和60年)の第12期生からは女子生徒も応募可能となり、共学化された。創立は防衛大学校よりも遅いが、防衛大学校よりも7年早く共学化されている。2014年4月には、4年制の看護学科を設置。医学科は6年制で学校教育法に基づき、医学教育を行う大学の基準を満たしている。また大学院相当の医学研究科も設置されている。毎年11月、防衛医科大学校では創立記念行事を行い、緒先輩達の足跡を敬い学校の創立を祝っている。
「今年は防衛副大臣が、出席か…。お、出たぜ。儀仗隊。第1期生が昭和48年って事は2022年(令和4年)入学の俺達は第59期生って事だな。」
「って事は、来年60周年じゃねぇか?」
「つよし?何一人でボソボソ言ってんのよ?こっちで記念撮影よ?早く!」
「撮影?何だよ、ったく。」
「へぇー。この御時世に立食パーティーか…。」
「山川?早く食わねぇと無くなるぜ?」
「一兵にセツ菜ちゃんまで!?」
「つよし?お腹空いていないの?」
「いや、そう言う訳じゃねーけどよ。ごちそうの前では無力だな。花より団子って訳か。」
「たった60年位じゃ深い歴史とは言え無いし、100年後200年後に防衛医科大学校がどうなっているかなんて、誰にもわかんねーじゃん?」
「そう言う冷静な見方もあるよな。確かに。」
「つよし?そんなお堅い事ばっかり考えてると、学生生活エンジョイ出来ないわよ?」
「別にそう言う訳じゃねーけどよ。あ、珈琲下さい。」
防衛医科大学校が出来た1970年代と言えば、高度経済成長期の真っ只中。当時は自衛隊への風当たりも強くて、防衛医科大学校の設置には日本国民は反対する人が多かった。その不満の矛先は日本政府に向いた。「税金泥棒」とか普通に言われてた。
「そりゃまた随分な言われようだな?」
「そう言う逆風に耐えてきた先輩達のお陰で今がある。」
「災害派遣やPKO等の地道な活動をして、国民の信頼を勝ち取ったんだ。だから、今は自衛隊の事を悪く言う人は少なくなった。」
「防衛医科大学校の歴史を知るのは決してお堅い事では無いんだ。」
「フッフッフッ。」
「セツ菜ちゃん?」
「山川君って真面目なのね。」
「セツ菜に笑われているぞ?その冷めた珈琲飲んだら帰るぞ?」
「え?もう終わり?マジで?ズズズ。」
「相変わらずでしょ?つよしの奴歴史とか戦争の事になると、目の色変わるの。昔から。」
「へぇー。山川の新たな一面を見れたよ。」
「一兵風呂行くぞ?」
「ほら、ご指名よ?」
「何だよ?全く。じゃあ、また後で。」
「セツ菜?私達もお風呂行こ!」
「うん。」
こうして59回目の創立記念日は無事に終了したのであった。