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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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199/200

未来への歩み

 「金海一兵!」

 「はい!」

 「貴殿を二等海尉に任命する。」

 とまぁ、こんな感じで任官式は滞りなく進行した。山川と良子さんは二等空尉に、そして驚く事に医学研究科に進学するセツ菜も二等海尉に任命された。荷物をまとめ、6年間お世話になった並木の学舎に別れを告げた。そして4人は正門前で抱擁した。

 「元気でな!頑張れよ!」

 「山川!良子さんを泣かすなよ?」

 「おう!セツ菜ちゃん、医学研究科に行っても、一兵の事大切にしてあげてね。」

 「うん。良子も元気でね?」

 「泣かないでよ、セツ菜。」

 「まぁ、今生の別れじゃないんだし、たまには会おうよ?」

 「そうだな。」

 「次に会う時は家族が増えてるかもな?」

 「何言ってんのよ?ソーローの癖に?」

 「楽しみにしてるよ。」

 「じゃあ、俺達こっちだからまたな。」

 「おう!」

 「セツ菜?アパートまで送るよ。」

 「一兵ありがとう。」

 「じゃあ月の湯寄って江田島に行くね。」

 「LINEは欠かさないでね?」

 「愛してるよ。」

 「私も。」

 「じゃあね!」

 「うん。」

 セツ菜は何か言いたそうだったが、これ以上いると離れられなくなると悟った一兵は、足早に海上自衛隊幹部育成課程を修了する為、広島県江田島市にある海上自衛隊幹部候補生学校に向かった。

 それから4年後…。

 セツ菜は潜水艦内におけるクラスターの発生を抑える治療薬"サブマリンエロノイド"の開発に成功。医学研究科を首席で卒業し、一等海尉で防衛医科大学校の助教授となった。

 山川は二等空佐まで昇進して、脳外科のスペシャリストになっていた。良子は二人の子供を育てながら、防衛医科大学校病院で精神科医として勤務している。階級は三等空佐。

 一兵は海上自衛隊横須賀基地内の病院で内科医として勤務している。階級は二等海佐。流石は並木四天王と恐れられただけあり、4人とも出世が早い。

 「セツ菜?そろそろ俺達も…。」

 「今しかないよね。」

 と、妊活に励んだ一兵とセツ菜は、三つ子を授かった。

 「3人も同時に大丈夫かな?」

 「カイザー(帝王切開)でしょ?普通に。」

 「大丈夫!セツ菜なら。」

 「全然論理的じゃないんですけど。」

 と、まぁ、不安を抱えていたセツ菜だが、何とか無事に3人の元気な男の子を出産した。母子共に異常無し。と大役を果たしたが一兵は不満気味で、今度は女の子を切望し妊活。双子の女児をセツ菜は宿した。三つ子が生まれてから1年後の事であった。

 「セツ菜、ありがとう。頑張ったね。」

 「もうこれ以上は勘弁して(泣)」

 「5人も子孫を預かりお義父さんやお義母さんも大変だろうな。」

 「でも凄く嬉しそうだったよ?」

 「三つ子を生んで双子を生むなんて流石はセツ菜だよ。」

 「良子?そっちは二人でしょ?」

 「二人でもてんやわんやよ?」

 「一兵?良かったな。金海グループのあととり候補が増えて。」

 「それを決めるのはお義父さんだから。」

 「まぁ、あと5年間は自衛隊にいなくちゃならねーからな。」

 「10年契約だもんな。でも違約金払ってでも一日も早く金海グループを継ぐべきでは?まぁ、赤の他人が言う様な事じゃねーがな。」

 「お義父さんも違約金払ってやるから後を継げって言うんだ。」

 「天下の金海グループの会長なら5000万円の違約金なんてへでもないだろうな。」

 「貸しを作りたくないってのが正直な本音かな。」

 「折角二等海佐まで昇進したしな。未来の為にも意地でも違約金は払わせないし、退職しない。」

 「未来が楽しみだな。」

 「あ、こんな所に居ましたか山川二佐!」

 「わりぃな一兵。緊急のオペが入ったみたいだ。」

 「オペ行け。俺に構わず。」

 「またな!一兵。セツ菜ちゃんに宜しく!」

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