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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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198/200

医師国家試験結果

 そして合格発表の日…。

 「302…あった!(山川つよし合格)」

 「312…312…あった!(山川良子合格)」

 「303…303…あった!(金海セツ菜合格)」

 「313…313…313…あった!金海一兵合格」

 「まぁ、自己採点の段階で見当はついてたんだけどね。」

 結局、今年も防衛医科大学校学生は全員合格となり、落第者は出なかった。だが、これは終わりではない。防衛医科大学校卒業生にとってはプロローグに過ぎない。

 「とりあえず防衛医科大学校に戻って戦果報告だな?」

 「…ああ。」

 「どうした一兵?いつものお前らしくないぞ?」

 「まだ合格した実感がわかなくてな。」

 「私も夢を見ているみたい。」

 「二人とも!しっかりしなくちゃ!気持ちは分からなくもないけど、もう立派な幹部自衛官なのよ?」

 「良子さんの言う通りですね。俺達は幹部自衛官なんですね。」

 「おい!医師国家試験合格者は防衛医科大学校で任官式だって。…明日だとさ。」

 「じゃあ今日はパァッと祝勝会と行きますか?」

 「すまん、山川。部屋の荷物整理しなくちゃ。」

 「はぁ?いいから行こうぜ?」

 「つよし?一兵君嫌がってるじゃない。私が代わりに行くから、私とサシ飲みよ?」

 「仕方ねーな。セツ菜ちゃんも嫌?」

 「私も荷物整理しなくちゃ。」

 「なるほど。二人で飲みに行く魂胆か?」

 「別にそんなんじゃねーから。セツ菜、行こう。」

 「うん。じゃ!」

 「なぁ、セツ菜?本当に医学研究科に行ってしまうのか?」

 「うん。スカウトしてくれた教官の為でもあるんだ。」

 「いや、俺はセツ菜が側にいないと不安なんだ。」

 「心配してくれてるの?」

 「もう良い。好きにしろ。束縛はしたくない。」

 「大丈夫だよ。どこにいても私は一兵の妻だから。」

 「それより、荷造りしないと!ヤバイ!」

 「どうせ不要のテキストばっかりなんでしょ?捨てちゃえば?私手伝うよ?」

 「ありがとう。助かる。」

 「で?子作りはどうすんのよ?」

 「良子飲み過ぎだって!」

 「研修医を卒業したら考えよ?」

 「その言葉忘れないからね?」

 「酔ってねーのかよ。」

 「一兵君達は子作りどうするんだろ?」

 「人様の家庭の心配してる場合か?」

 「親友の未来も心配にならないの?本当つよしってそう言うとこドライだよね?」

 「スーパードライ。」

 「ビールかよ?」

 「ねぇ、セツ菜?子作りどうしよっか?」

 「私が医学研究科を卒業するまで待ってくれる?」

 「4年も待たすの?」

 「医学研究科を卒業しなくちゃ行く意味無いでしょ?子作りで休学してられないよ…。」

 「本当は今すぐにでもしたいけど、6年間我慢したんだ。もう4年位我慢するよ。」

 「私だって欲求不満な時はあるよ?」

 「健全なる肉体に健全なる魂はやどかれし。だな。」

 「家族の為だ。変な話だけど。」

 「自衛隊としても、もう少し妊活や子作りに関して相談出来る制度や雰囲気を作って欲しかったな。」

 「ま、学生時代の事は思い出として残そう。」

 ドン。

 「あれだけあった荷物がボストンバッグ一個にまで収まったか!」

 「一兵?整理整頓出来なかったの?」

 「まぁ、医師国家試験の後だし仕方ないか。捨てないものを探す方が難しかったわ。」

 「置いてあった98%のものが使用済みの過去問や参考書の山。」

 「セツ菜、マジで助かった。ありがとう。明日任官式が終わったら4人で飲もう!」

 「そうだね。山川君も良子もきっと喜ぶよ。」

 と、言う訳で4人は遂に医師国家試験を突破したのであった。ここで落ちていたら、大変な事になっていたのは、言うまでもない。

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