表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

191/200

6年次進路指導(一兵)

 「金海一兵入ります!」

 「今更だが、今後の進路について指導したい。」

 「はい。お願いします!」

 「君の妻である金海セツ菜学生が医学研究科に進学する事になり、君は海上要員でありながら防衛医科大学校病院への配置を第一志望としているが、それは今でも変わらないか?」

 「駄目元での第一志望ですので、勿論、覚悟は出来ています。」

 「君がせめて陸上要員なら少しは融通が聞いたのだがな…。」

 「そうなんですか?」

 「まぁ、人事に関しては防衛省(うえ)が管理しているからね。」

 「そうですよね。」

 「海上自衛隊には5つの地方隊があるのは知っているね?」

 「はい。大湊(青森)、舞鶴(京都)、横須賀(神奈川)、呉(広島)、佐世保(長崎)ですよね?」

 「そう。それぞれの地方隊に自衛隊病院がある。埼玉の防衛医科大学校並木キャンパスから一番近いのは横須賀地方隊だ。横須賀地方隊の自衛隊病院を第一志望とするのはどうだろうか?勿論、大型艦艇に配置されたり、潜水艦に配属される可能性も無くはないが、現状は横須賀地方隊への勤務が、君の要望に一番近い。どうかな?」

 「はい。それでよろしくお願いします。」

 「君は成績も良いし第一志望と第二志望は確認した。防衛医科大学校病院への配置は厳しいが、横須賀の方が可能性としては高い。今の時点で言えるのはこの位だ。いずれの進路になっても頑張ってくれよ?」

 「はい。ありがとうございます。」

 「って事なんだ。希望が通ればちょっと遠いけど横須賀で勤務だ。会えない距離じゃないね?それに当分は研修医扱いだから部隊に配属されるのは先の事だよ?」

 「そっか、一兵も色々と気遣ってくれてたんだね。」

 「そりゃあそうだろ?いきなり青森とか長崎とか言われちゃあかなわないからね。」

 「引越しの方はどう?」

 「少しずつ進めているよ。」

 「折角家賃払い始めてるんだから有効利用してよ?」

 「まぁ、そう言う俺はまだ進路確定してないんだけどね(笑)」

 「で?結局その二択になったって訳?」

 「山川達は夫婦離れ離れにならなきゃ全国何処でも良いんだろ?」

 「まぁ、ぶっちゃけどこの部隊でも当分は研修医な訳で、防衛省(うえ)が俺達夫婦を引き離すメリットは全く無いからな。」

 「でも山川達にも進路指導来るよ?」

 「そう言う時期だもんな。上山先輩も言っていたな。」

 「でも、学生としては何を今更って感じじゃない?」

 「まぁ、良子の言い分はよく分かる。」

 「とにかく医師国家試験を通らなきゃ部隊配置もくそも無い訳だしな。」

 「その為の6年間だろ?」

 「確かにな。そんな事1年の頃から言われていた事だしな。」

 「医師国家試験に合格する前提で、どの進路に行くかって事か。」

 「俺の場合はそんな感じだった。」

 「相変わらず盛り上がっているな。この4人は?」

 「川下一曹?」

 「え?進路指導?今頃?」

 「ですよね?川下一曹もそう思いますよね?」

 「その話で盛り上がっていたのか?」

 「…。まぁ、医師国家試験に全力を尽くす事だけ考えた方が良いと思うけどな。」

 「そうですね!勉強勉強!」

 「余計な事は考えない。」

 「行くぞ?一兵!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ