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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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189/200

6年次大雪災害派遣

 「おい一兵!外見てみ!」

 「雪!?」

 「関東の都市部で20㎝の積雪だとよ。」

 「この寒気山間部や東北・北陸地方も覆っている。今季最強の寒波らしいってラジオで言ってた。」

 「TVつけろ。」

 「なんてこった‼」

 「車の立往生も頻発しているらしい。」

 「これ、自衛隊に災害要請出るレベルじゃないか?」

 ビービー緊急連絡。

 「第2大隊の5、6年生は直ちに体育館に集合せよ。繰り返す…。」

 「これ、もしかして災害派遣?」

 「山川急ぐぞ!つーか山川第2大隊長じゃねーか?」

 「困るんだよな。この時期の災害派遣。」

 とは言え、大雨や災害時にはレアケースだが防衛医科大学校学生が派遣される事もある。

 「只今関東広域の大雪により、幹線道路で多数の立往生が発生。千葉・神奈川・埼玉・東京の一都三県の知事から、防衛大臣に災害派遣要請が入った。そこで微力ではあるが、我々防衛医科大学校学生も出動要請が入った。今回は経験豊富な5、6年生に参加してもらうことに学長が判断した。当学第2大隊230人は陸上自衛隊第3旅団の傘下に入り、現場で作業に入って貰いたい。山川つよし第2大隊長後はよろしく。」

 「はい!」

 と、引き受けました!みたいな顔をしたが心の中ではイライラしていた。

 「この大事な時期に寒さで風邪でもひいたらどないすねん。」

 と。てな具合で防衛医科大学校第2大隊は、所沢市内の東京に通じる幹線道路での立往生現場で除雪に参加した。約二時間の懸命な除雪作業により、立往生は解消した。その間に体調不良を訴えたドライバーの救護も実施した。文句ばかり言っていた山川ではあったが、山川は仮設のテントの中で学生の統率に尽力した。バラバラにならぬようしっかり陸上自衛隊員の指示に従うよう学生を統率した。終わってみれば大した事は無かったが、流石に二時間のスコップ作業は防衛医科大学校学生達でも体にこたえた。旅団長からは学生の統率を誉められた。山川は御満悦であった。

 PM1700作業完了、帰校。

 「いやー。腹減った!」

 「つよし?それスコップ作業していた私達の台詞なんだけど?」

 「そりゃあ大隊長だからな!」

 「現場は相当ハードだったよ。訓練してなきゃもっと時間かがっていたと思うよ?」

 「やっと来たか?」

 「川下一曹今夜のメニューはズバリ?」

 「すき焼き風定食だ。」

 「うお!五臓六腑に染み渡る。」

 「めっちゃ寒かったもんな。」

 「もう寒いのなんのって…。」

 「だから山川お前が言うな。」

 「知ってんだぞ?山川と山ノ井だけ暖かい部屋で指揮してたの?他のみんなは全員スコップ作業。」

 「ま、そー言うなって。山川つよし学生も一緒に派遣されたんだから。これ食って、風呂入って寝ろ。」

 「仕事してたの?」

 「当たり前だろ?誰がどこで何をしてたか把握して陸上自衛隊の一佐に逐次報告してたんだから。ただスコップで雪かきしてたお前らの100倍気づかいしてたんだからな?」

 「その言い方が駄目なのよ?二時間も雪かきさせられた身にもなってよ?」

 「お二方、まぁ安全に無事終わったんだし、良しとしようや。」

 「だな。」

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