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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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182/200

6年次並木祭④

 迎えた並木祭当日。正門前で整理に当たっていた並木祭実行委員に列の並び具合を一兵は聞いた。

 「今年も盛り上がりそうですよ。並んでるだけで4、5千人はくだらないですよ?」

 「そうか…。」

 まだまだ客足は延びそうであった。AM0900模擬店の営業開始と共に入場開始。ライヴやコンサートまでは時間があるので模擬店に客が流れ出した。クラブboy(防医)にも来客が増え始めた。最初の指名はやはり山川つよしであった。バックヤードのドリンク提供も今の所スムーズだ。客との会話のメインは防衛医科大学校についてだ。特別なものではない。すると一兵や良子にも指名が入る。物好きなマニアも現れセツ菜を指名する客もいた。値段は少し高めだが、男子学生上位5人と女子学生上位3人に指名が集中。ヘルプの下位の学生がフル稼働する事態となった。心配されたバックヤードも指名のない学生で何とか回し、PM1600の営業終了迄に100人以上が来店。売り上げは20万円を越えた。防衛医科大学校の模擬店としては最高益を記録した。クラブboy(防医)は大成功に終わった。

 「皆、お疲れ様。昼飯も食わずよく頑張ってくれた。」

 「やっぱ指名は上位者に偏ったな?」

 「ああ。良子お疲れ様、はい水。」

 「ありがとう。慣れない事は疲れるわね。」

 「俺もこんなに指名重なるとは思っていなかった。」

 「はぁ?つよしの為の店みたいなもんじゃない?」

 「そうだぞキング山川!」

 「源氏名で呼ぶな(笑)」

 「セツ菜もお疲れ。どうだった?接客の方は?」

 「緊張して何話したか覚えてないよ。」

 「ま、そうだよな。でもバックヤードでのリーダーシップは流石だったよ?」

 「もうあれは嵐だね。」

 「津野?」

 「俺の様なポンコツでも、役に立てるんだね?」

 「津野?防衛医科大学校学生にポンコツは一人もいないぞ?」

 「このクラブboy(防医)は、下位の学生がいなくちゃ回らなかったよ。マジで。改めてありがとう。」

 「後は売り上げ金を並木祭実行委員会に提出して終了だから山川達は先に行っていいよ?」

 「いやほぉう!飯飯。シャワー。」

 「一兵?私も付いていって良い?」

 「良いけどセツ菜お腹空いてないの?」

 「それより、一兵はやっぱホスト向いてないね?」

 「ま、セツ菜の永久指名入ってるからな。」

 「そうじゃなくて、一兵嘘つけないじゃん?」

 「確かにな。キング山川つよしの様には行かなかった。ま、指名数では図抜けてたけどな。」

 「良子も結構指名入ってたね?」

 「女子学生の一位だもん。」

 「でも、良子ちょっと大変そうだった。」

 「まぁ、心中を察すると穏やかじゃないか。」

 「結局、山川つよしとヘルプ軍団で売り上げの6割5分を荒稼ぎしたからな。」

 「津野の奴も何だかんだで指名貰ってるじゃん?」

 「いつも俺や山川の陰に隠れがちな銅メダリストだもんな?同情の余地はある。」

 「さ、セツ菜飯行こっか?」

 「うん。」

 「お、来たなイケメンホスト!に美人キャバ嬢まで!」

 「やめて下さいよ、川下一曹。」

 「No.1カップルはさっきまで飯食ってたぞ?」

 「今日のメニューは?」

 「スパゲッティカルボナーラだ。」

 「米食いたかったです。」

 「ちなみに明日の朝はフレンチトーストだぞ?学生生活最後の並木祭楽しめたか?」

 「はい。川下一曹のお陰です。」

 「何言ってやがる。実行したのはお前らだろ?俺は種をまいたに過ぎんのだよ。」

 「それでも、最高でした。」

 「良かったな‼」

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