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1年次並木祭③

 有名人アーティストのライヴの後は吹奏楽部による定期演奏会だ。

 「完全に裏方ね。私達。」

 「なんかこう言うのも悪くないわね。」

 一方、一兵と山川は…。

 「1年生の模擬店繁盛してるな。」

 「2~4年生はもっと繁盛しているよ?」

 「野上先輩も堂上先輩も並木祭実行委員会のメンバーなんですか?」

 「あぁ、去年はもっとこじんまりしていたんだが、今年はライヴにUTSを呼んだこともあってか、客足が順調みたいだ。売り上げが良いからって模擬店の金かっぱらったりするなよ?退学になるぞ?」

 「しませんよ。けど過去にはいたんですね?そう言った愚か者が。」

 「あぁ、気ぃつけや。」

 「3、4年生の模擬店気合い入ってますね!」

 「流石に1、2年生に負ける訳にはいかんやろ?」

 フライドポテトやお好み焼きがせいぜいの1、2年生に比べ3、4年生は健康志向のラーメンやガッツリ焼肉丼をワンコイン(500円)で提供している。売り上げも比較にならないな。」

 「お化け屋敷やキャラカフェは1年生としては大健闘だな。よくやってると思うで?」

 「ありがとうございます。これは1年生4店合わせた合計の売り上げ金です。」

 「何や?もう店じまいか?」

 「模擬店メンバーにも並木祭楽しんで貰おうって思いまして。」

 「20万5000円か。うむ、よくやった。」

 「尾崎、山川?まだ終了まで時間あるから医学研究発表会に行ってきて様子を見て来てくれないか?」

 「はぁ…。」

 「勉強になるぞ?」

 「はい。行って来ます。」

 「山川?」

 「ったく。何で医学研究なんか。どうせスタッフ足りないから片付けでも手伝わせようって魂胆じゃねーの?」

 防衛医科大学校には医学研究所と言う大学院相当の教育機関がある。また、4年制の看護学科も医学研究所と共に日頃の研究及び学習の成果を並木祭で発表している。

 「1年生の俺達にはちんぷんかんぷん難しすぎて、わかんねーよ。」

 「確かにな。でも勉強にはなるよ?」

 「1600か。あと一時間あるぜ。」

 「ここにいるしかないやろ?この発表会場を片付ける実行委員多分俺とお前だけやで?」

 「実行委員長、まさかそう言う事?」

 「してやられたな。一応確認してみるか?」

 「あのぉ…。はい。なるほど。そうですか。分かりました。」

 「山川の予想通り片付けて戻って来いと。」

 「つーかここ別館だし、人はまばらだね?」

 「まぁ、物好きもいたもんだな。」

 「物好きで悪かったな?」

 「吉永?どうしてここに?」

 「看護学科の下っぱだし、先輩に言われて片付けに来たんだけど、自分以外にも二人の並木祭実行委員会のメンバーがいるから大丈夫って言われてたけど、尾崎君と山川君だったんだね?」

 「あーあ。他の実行委員は、模擬店や定期演奏会の片付けをスタンバってた。」

 「1658。二分早いけど片付けるか?」

 「あーあ。そうするか?」

 「こっちは俺が何とかするから、一兵は吉永を手伝ってやってよ。医学研究所の方は俺一人でやるわ。」

 「山川ってぶっきらぼうだけど優しい所あるんだね。」

 「あぁ、山川は不器用だし、口悪いけど良い奴だよ。」

 と、まぁ、こうして1年次並木祭は終了した。

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