6年次夏季集中合宿②
「いやぁ、久しぶりに全力出したわ。」
「私も。」
「セツ菜は必死だったみたいだね?」
「毎日タバコ吸ってる人に言われたくない。」
「俺も山川も余裕だったけど?」
「仕方無いよ。基礎体力が全然違うんだから。」
「フン。一兵も山川君も知らない。」
「おい?一兵?セツ菜ちゃん鼻曲げちゃったよ?大丈夫?」
「たまには厳しく言わないとな。」
「良子、後頼む。」
「はぁ?私に丸投げ?」
「良子さん、ここはよろしくお願いします!」
「マジでしょーもな。」
と、まぁそんな日々を続けて3週間の夏季集中合宿は終わった。合宿の最後に行われた模試では4人ともA判定(医師国家試験合格確率80%以上)だった。
「セツ菜ごめん。俺が言い過ぎた。頼むから口聞いてくれよ?」
「じゃあ月の湯おごって?それで許してあげる。」
「そんなので良いの?いつもの4人で?」
「一兵と二人が良いな?」
「仕方ねーな。じゃあ10分後に校門(正門)で待ってるから。」
「うん。」
「一兵?外出?」
「ちょっと野暮用でな。すぐ帰るよ。」
「あ、そう。」
「え?セツ菜ちゃんも?二人で御忍びデート?」
「まぁ、彼等も立派な夫婦だからね。」
「じゃあやっと一兵とセツ菜ちゃん仲直りしたのか?」
「じゃないの?」
「まぁ、そろそろ4人で行動する機会を減らさなくてはいけないと思っていたから、良いタイミングかもね?」
「は?キモ。」
「トホホ。でも、一兵には俺の方から言っておくよ。」
「セツ菜の方は私に任せて。」
「タオル持ってこなくて正解だったね?」
「行き先がバレるからね。まぁ、その分タオル代加算じゃったけどね。」
「俺の事許してくれる?」
「超気持ち良かったから許す!風呂上がりの牛乳まで頂けて感無量です。」
「まぁ、長い付き合いになるだろうし、こう言う事は何度も起きるだろうけどその度に、こうやって乗り越えて行けたらと思う。」
「さぁ、扶桑寮に戻りましょ?山川君や良子が待ってる。」
「え?マジで言ってる?」
「4人の同盟もここまでだ。」
「卒業後の事考えたら俺も一兵に賛成かな。」
「つよし!?」
「まぁ、断腸の想いではある。」
「訓練の一つだね。」
「分かった。でも友情は変わらないから。」
「それは勿論。」
「セツ菜。今の状況理解したなら、飯行くぞ。」
「じゃあ私達はシャワー行こっか?」
「おう。」
「川下一曹!?夏休み終わったんですか?」
「今日からまた仕事だ。」
「聞いたよ?山川学生から。まぁ、あんま無茶するなよ?今しか出来ない事も一杯あるんだぞ?」
「はい。その点は4人で出した結論ですから。」
「学生ごっこはもう終わりって訳か?」
「はい。で、料理長は?」
「俺と交代で夏休みだよ。」
「なるほど。」




