6年次体力検定
「体力検定も学生としては最後だな?」
「あぁ、そうだな。」
「最も任官したらしょっちゅう行われ給与に影響するんだよ?」
「仕方無いなそれが職務上の責務だからな。」
「体力検定ごときでぎゃあぎゃあ騒ぐなよ?こんなの医師国家試験に合格する事に比べたら天と地の差があるぜ?」
「山川の言う通りだよ。体力検定ごときで喧嘩してる場合じゃないんだ。で、結果は?」
「勿論A判定。」
「やるじゃん。良子とセツ菜ちゃんは?」
「私達はA判定。一兵は?」
「ギりA判定。まぁ、体力検定だるいよな。」
「本音はかったるいよな。」
「自衛官なら必須の事項だから、俺達だけ免除って訳にはいかないからな。」
「な?上半期のボーナス出たから、月の湯行かない?」
「良いね。行く行く。」
「体力検定って何気に疲れるんだよね?」
「疲れた体には月の湯っしょ?」
「あぁ、気持ち良いぜ。」
「最高だわ。もっと早く見つけたかったわね。」
「いやいや、俺達が5年に上がった年の春にopenしたから運は持っているんだよ。」
「その運が他に響かなきゃ良いけどな。」
「風呂上がりの牛乳最高だわ。」
「いやいや、ビールだろ?」
「はめはずしすぎてトラブルおこしちゃ不味いから、早めに扶桑寮に帰るぞ!」
「おう。」
「今日の夕飯はカレーライスだぞ?」
「テンション上げ上げのメニューじゃん?」
「お、やっと来たか。」
「川下一曹?」
「今日はじゃんじゃん食ってくれ。」
「何か良い事あったんですか?」
「うん。まぁな。」
「ボーナスが予想より多かったとか?」
「家族で良い事あったとか?」
「色々あんのよ。防衛医科大学校の食堂勤務の一曹にも。」
「ありがとうございます。何か知らんけど。」
「つーか川下一曹酒飲んでます?」
「職務中に!?」
「ビールをジョッキで二杯。」
「だから気前良いんだ?」
「今日は調理長もいないし、お前らの食器を洗浄したら、あがりだからもう仕事終わったも同じなんだよ。」
「帰りは車使っちゃ駄目ですからね。人生詰みますよ?」
「そうだな。ま、歩いていけるほど近くのマンションなんだけどな。」
「それは初耳ですね?」
「防衛医科大学校に近くないと色々と不都合だからな。嫁と話し合って決めたんだよ。」
「理解のある奥さんで良かったっすね?」
「同じ陸上自衛官だからな。嫁は。」
「え?マジすか?」
「勿論、階級は俺の方が上だがな。」
「そこはあまり重要じゃなかったです。」
「お前らと話してたら酔いが冷めた。」
「良かったっすね。」
「PM2000あがりだからそろそろ行くな。」
「はい。お疲れ様でした。」
「川下一曹過去一番気分良さそうだったな?」
「だって職務中にビールを飲んだ位だぜ?きっと相当嬉しい事があったんだよ。」
「口外厳禁な?」
「つーか何かあったっけ?」
「良くないわね。職務中にビールを飲むのは。」
「だからそれを見過ごそうって話なんだけど?」
「川下一曹が処分されたら困るだろ?」
「かなり困る。」
「それにもう証拠もないしな。」
「俺達が目をつむればそれで治まる話なんだけどな。」




