第2大隊長交代
「上山先輩第2大隊長1年間お疲れ様でした。」
「特に何もしてなかったけどな。」
「山川が次の第2大隊長だって聞いて安心してるよ。」
「これって、第1大隊長経験者がやるのが慣習なのでは?」
「やりたくないなら、他の者に任すが?」
「あーあ、そう言う意味ではなく、しっかり伝統は守ります。」
「これと言ったセレモニーもないし、引き継ぎ事項もほとんど無い。とは言え伝達事項はある。サクッと済ませるぞ。」
「はい。」
「なるほど。特に留意点はありませんね?」
「分かれば俺が言う事は何もない。」
「成熟した5、6年生ですもんね。確かに。」
「よし、じゃあ解散。」
「失礼します。」
「そうか、呆気なかったんだな?第2大隊長交代は。」
「上山先輩かなり焦ってたよ。」
「医師国家試験直前だからな?」
「1年後は俺達がピリついてる時期だな。」
「飯も喉通らなくて2~3㎏は痩せたって上山先輩言ってたよ。」
「医師国家試験ダイエット。」
「馬鹿にしているけど人事じゃないのよ?人生かかっているんだから。」
「ま、俺は余裕だけどね。」
「何で?」
「毎日の勉強が充実してるから。」
「それ皆そうだから。」
「クラスヘッドはお気楽だな?」
「不合格だったら洒落にならんからな。上山先輩の心中は察するに余り有る。」
「ま、とにかく平民の俺達も山川の事サポートするからさ、しっかり頼むよ。」
「一兵今何時?」
「PM1745だけど?つーか時間毎回俺に聞くけど、時計持てよ?」
「考えとく。よし、今日は山川つよし第2大隊長就任記念パーティーだ。月の湯は俺のおごりだ!」
「もうお金出すの私なんだけど?」
「山川君太っ腹‼」
「良子さん?」
「はぁ、つよしにちょっとお金持たせるとすぐ人におごったりして。だからこづかい制にしてんのよ。」
「一兵達はお金の管理どうしてるの?」
「基本お互いの自己管理してきたけど、セツ菜はちょっとお金にだらしない所があって、将来的には俺が一括管理しようと思っています。」
「ま、今日はめでたい日なんで月の湯行きましょうよ?」
「風呂上がりの牛乳マジウマ!」
「山川?整った?」
「整った。」
「お会計4名様で3000円になります。」
「まぁ、このくらいどうって事無いよ。それより飯行こう飯!」
「たった一万円のこづかいで月の湯4名分3000円の身を切るとは、流石第2大隊長。と言いたいんだけど、話によれば、お金が底をつく度に良子さんに泣きついてお金を貰っているとか?」
「仕方無いだろ?タバコは吸いたいしジュースは飲みたいし。」
「はい。空揚げ一個おまけ。」
「川下一曹?」
「第2大隊長、頑張れよ!」
「もちのろんすけですよ!」
「こんなふざけてますけど、やる時はやる男ですからね。良子さん。」
「そうね。私も女子学生40人の中隊長になるんだけど?」
「引き継ぎ終わってるんですか?」
「中隊長クラスは引き継ぎも何も無いわよ。」
「確かに。そう言えば俺も中隊長になるんだった。」
「一兵?一緒に頑張ろうな。」
「おす。」




