一兵の描く未来
「なぁ、セツ菜?俺の描く未来興味ない?」
「え?何?急に?凄く興味あるんだけど?」
一兵はあるプランを持っていた。
「2028年3月防衛医科大学校を卒業(医師国家試験合格)研修医官としてセツ菜と頑張る。一兵は外科を専門職として自衛隊病院で腕をふるう。セツ菜は優秀な精神科医として自衛隊病院で腕を磨く。2030年春、セツ菜第一子を授かり産休に入る。同年秋セツ菜第一子を出産。(男の子)2031年夏、セツ菜第二子を授かり産休に入る。その間に一兵はセツ菜より早く一等海尉に昇任。多数のオペを任される様になる。2032年春セツ菜第二子(女の子)を出産。これを機にお義父さんの計らいもあり一軒家を購入して営舎暮らしを卒業する。一兵は育休を取りつつ順調に外科医として成長する。2033年春セツ菜職場復帰2歳の長男と6ヶ月の長女を保育園に預け、出勤を再開。セツ菜も程なくして一等海尉に昇任。2034年春一兵三等海佐に昇任と同時に米国への留学が決まる。期間は1年。行き先はボストン州立医科大学。セツ菜に育児を丸投げして、一兵の帰りを待つセツ菜。2035年春に帰国した一兵は二等海佐に昇任した。セツ菜も三等海佐に昇任し、2035年夏セツ菜第三子を妊娠。2036年春出産(男の子)。一兵はその頃世界初の術式でステージⅣ胃ガンの摘出に成功。脚光を浴びる。その後一等海佐に昇任する話を蹴って2038年36歳の若さで自衛隊を依願退職した。(金海グループ継承の為)セツ菜も同時期に離職した。…とまぁ、こんな感じ?」
「子供多くない?私の負担半端ないんだけど?」
「いや、セツ菜なら可能だよ。」
「スーパーエリートの外科医はまぁ、勝手にしてって感じなんだけど、私精神科医なの?」
「外科や内科に比べれば、負担少ないでしょ?」
「ブッブー、その設定NG。私は精神科医にはならない。」
「いや、俺はセツ菜の好きなようにやってくれて構わないんだよ?子供いらないならそれでも良いし、そんなに簡単に階級あがらないだろうし。あくまで金海グループを引き継ぐまでの10年計画だから。」
「折角医官になれるのに最短で辞めるの勿体無くない?」
「セツ菜は好きなようにしなよ。けど俺にはお義父さんとの約束がある。」
「パパとの約束?」
「金海グループを引き継ぐって約束な。」
「一兵?そんなの無理して履行しなくて良いんだからね。」
「お義父さんが生きてるうちに喜んで貰いたいんだ。」
「金海病院を作る野望もある。」
「パパが一兵の好きなようにさせてくれるとは思えないけど。」
「医師免許は一生もんじゃん?」
「まぁ、確かにね。自衛隊だけが活躍のフィールドじゃないのは確かだわ。」
「人生一度きりだからね。」
「子供欲しいよ。3人は自信無いけど。」
「36歳で辞めちゃうのは、例えそうなったとしても、一兵が決める事だし、私は私でキャリアを積みたい。」
「まぁ、可能性は無限大だから。御互いの最良の未来をチョイスして行こう!」
「そうだね。私も賛成。」




