5年次医師国家試験模試②
「最高点は100点満点中92点を取った金海一兵学生見事だ。」
「次点は90点を取った山川つよし学生。現段階としては充分合格圏内である。」
「平均点は67点、合格点は75点であるから、半数程の5年生が、現段階で落第点を取った事になる。これからは気を引き締めて学習する様に。それでは設問1から、解説する。」
(山川に勝った‼初めて。どんなに頑張っても勝てなかった好敵手に、今日俺は勝ったんだ。)
トントン?
「どーしたの?一兵?もう授業終わったよ?」
「ああ、そう…。」
「さては俺に勝ったからって、悦に入ってたな?クラスヘッドの俺に勝って。」
「とりあえずシャワー浴びて飯だ飯。」
「山川はどこ間違えたの?」
「設問6の3最終問題。答えは出たんだけど、時間足りなくて白紙でゲームセット。配点が10点もあるとは知らず、それらしいこと書いとけば何点かはもらえた記述問題。」
「じゃあそこまではパーフェクトだったの?」
「まぁな。」
「流石王者。」
「何それ?」
「まぁようやく一兵もクラスヘッドの俺に勝てるレベルに達したって事だな。」
「で?良子さんが80点でセツ菜ちゃんが77点か。」
「もっと元気出してよ?4人とも合格点越えたんだし?」
「まさかプースカ組に負けるのは分かってたけど屈辱。第2大隊になってからは徹夜禁止されてるのに?何故?」
「これがその答え。」
「秘伝医師国家試験対策?」
「誰にもらったの?」
「いや、これは図書館で見つけたんだ。これが効果抜群だったのよ。俺はノートに全部写生したから、図書館に戻しておくよ。見たきゃ見な。」
「一兵って図書館とか行くタイプだっけ?」
「読書好きなのは知っていたけど…。」
「私も読もうかな。」
「俺はパス。そんなの無くても100点取る。」
「ゲームするのに攻略本読むのと同じだもんね。ある意味。」
「でも、それで負けたのは事実。一兵君相当嬉しかったみたいだよ?入学以来初めてつよしに勝ったから。」
「たったの模試一度きりじゃあないか。」
「そんなに俺に勝てたのが嬉しいのか?」
「結果的に俺は勝ったけど、まだクラスヘッドの座に座ったわけじゃない。」
「俺の首を全力で取りに来たのか?」
「簡単に変わるようではないのかもしれないが、俺はいつも本気だぜ?」
「じゃあ俺も本気出すぜ?相棒!」
「底が知れないわね?プースカ組のくせに。」




