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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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5年次創立記念行事

 1973年(昭和48年)創立の防衛医科大学校は、防衛大学校に比べると遅い船出ではあったが、1985年(昭和60年)に男女共学化を防衛大学校よりも7年早く実施し、狭き門ではあったが、女子学生の活躍のフィールドを広げる先駆けとなった。

 医学科と大学院相当の医学教育研究科だけだったが、時代の流れとニーズもあり、2014年4年制の看護学科を新設。だが、1学年の定員は医学科と合わせて80名と変わらぬ為、並の看護師候補生は中々防衛医科大学校を選択しない。医師又は看護師たる幹部自衛官の育成を主として、理論研究能力、臨床についての教育訓練を目的とするのが防衛医科大学校である。

 4年間又は6年間の教育訓練、主として学生舎(寮)での団体生活をする。定員は6学年480名が学校教育法に基づき医学教育を行う大学の基準を満たした環境下で医師免許取得を目指し、幹部自衛官に必要な教育を受ける。防衛省管轄の特別教育を受ける為、一般医大とは扱いが異なる。

 「めでてーんだかめでたくねーんだかよく分からないな。一兵?」

 「ああ。創立記念行事は学校としてはそれだけの歴史がありますよ的なアピール出来るけど、現役の学生からしてみたら、はた迷惑な話だよな。時間も勿体無いし。」

 「まぁ、この時期は仕方ないよな。これも防衛医科大学校学生の務めだ。」

 「つよし?一兵君?そんなふてくされた事言ってると、第2大隊長から叱られるわよ?」

 「今さら何言ってんのよ?こう言うのが自衛隊のスタイルなんだから、しょうがないじゃない?」

 「セツ菜まで言うか…。」

 「こう言うのって旧軍でもやってたのかな?」

 「そもそも日本陸海軍は内部で防衛医科大学校の様な組織を作っていたのかもあやしいけど。」

 「ああ。軍医は外注(外部委託)していた可能性も無くは無いな。」

 「まぁ、その軍医を正式に養成しましょうとなった時ノウハウが無かった為防衛大学校に先を越されたのかもな。」

 「士官はいなくちゃ困るけど、医官はいなくても何とかなるもんな。」

 「とは言え、上記の通り防衛医科大学校のカリキュラムによる医官養成は、時代が進むにつれ、放って置けない課題となって行った。」

 「自衛隊内部に病院があるのと無いのでは、利便性が格段に異なるからな。」

 「まぁ、そんな訳で全国の各地に自衛隊病院が作られ、医官や看護師のニーズも高まる訳だ。」

 「つよし?あんた本当にクラスヘッドなの?頭悪いんじゃない?自衛隊員のヘルスケアは同じ自衛官がやるべきでしょ?」

 「まぁ、それはそうだけどさ。」

 「これからは自衛隊病院じゃなくて、最前線の部隊で任務につくかもしれないのよ?その覚悟ある?」

 「そりゃああるさ。まぁ、陸上自衛隊の医官ならともかく、航空自衛隊の最前線っていやぁ救難部隊か?おお、上等だよ!任務につきたくてウズウズしてるぜ。」

 「じゃあそんなしょうもない事言わないでよ。」

 「へい。」

 「はい。ふざけた。おこづかい1000円ずつ引いてくからね。そう言う軽はずみな事言ってると。駄目よ。」

 「マジかよ?勘弁してよ月2万円だぜ?」

 「へぇ。山川家は小遣い制なんだ?」

 「金海家はどうなんだよ?」

 「お互い自立しているから、資産はお互いで助け合って来てる。」

 「つーかセツ菜ちゃん家大富豪だもんな。一兵の小便みたいな学生手当てなんか要らねーだろ?」

 「月2万円の貧乏人に言われたくないね。」

 

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