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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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152/200

5年次並木祭③

 ベースが固まり、つけ汁と麺の骨格が決まると、大食堂の厨房を少しだけ借りてD-麺の完成課程(最終調整)の段階に入った。つけ汁は豚骨を骨がなくなるまで煮詰め、白濁した100%豚骨スープに比較的甘めの特製のかえし醤油を合わせた濃厚つけ汁にする。

 チャーシューは山川が失敗を続けた為、急遽薄切りの豚バラ肉をローストし、かえしの醤油で味付けし代用した。

 麺は色々試した結果、力強いつけ汁に負けない極太ストレート麺を選択して、並木祭一週間前に客に出せる一品に仕上げた。

 当初案では200食完売が目標だったが、予算を想定より少なく抑えられた為、麺もつけ汁も500食用意する事が出来た。その為目標は500食完売となった。

 そして並木祭当日…。

 「過去一番緊張したかも。」

 「チャーシュー作り失敗した癖に何言ってんだよ?」

 「並木祭実行委員長だった去年よりはましだがな。」

 遡る事2日前…。

 「山ノ井?すまん。大食堂でD-麺提供させてくれないか?」

 「カセットボンベじゃ火力足りないんですか?」

 「厨房の大火力じゃなきゃD-麺の味出ないんだ。」

 「分かりました。導線の確保はキチンとお願いしますよ?」

 「すまん。恩に着る。」

 「って訳で我々5年生は大食堂でD-麺を提供する事になった。」

 「昼食時の12時~13時は他学生のランチタイムとなるから、導線の確保はよろしく!」

 「了解した。」

 「協力して500杯売るぞ!」

 「おう。」

 AM0900に開門して最初の客が来た。尚、移動して食べたい客にはテイクアウト用に開発したつけめん弁当(値段変わらず500円)を導入した。売り上げは事前にSNSによる告知で、ネット上では防衛医科大学校学生が本格派つけめんにチャレンジするという事でトレンドになっていた。その為一定数の客が来る事は想定出来た。

 出足も絶好調で、開始一時間で100杯に到達すると、正午までに250杯(目標の半分)に到達し、あれよあれよと、400杯を突破しPM1500には遂に目標の500杯を売り切った。

 「SNSの力スゲーな。」

 「D-麺テイクアウトでも本格派!」

 「500円で本格派つけめん。名前は少しダサいけど。味は一級品。」

 「あの?D-麺もう売り切れちゃいましたか?」

 「後余分の5食位ならあるけど…。」

 「じゃあ最後の5人分よろしくお願いします!」

 「つけ汁温め直すのでちょっと時間もらえますか?」

 「はい。待ちます。」

 「さおり?探したわよ?」

 「並木祭ライブ良かったですか?」

 「はい。学生DJの星って人が格好良かったです。」

 「山川?良かったな学生DJの後継者が出来て?」

 「5名様お待たせしました。本当にこれでラストです。」

 「さおり?これがあのD-麺?超旨いんだけと。全然豚臭くない。スッキリしてる。」

 「あ!ここでやってたのか?つーか完売(ソルドアウト)かよ?」

 「ゴメンね。また来てよ。」

 「はーい。」

 「物凄く美味しかったです。D-麺。超本格的な味で最高でした。来年以降も防衛医科大学校の名物として是非残して行ってください。」

 「努力します。」

 「はーい。」

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