5年次体力検定
「記録伸びねーわ。やっぱり。」
「そりゃああんだけタバコ吸って勉強漬けなら、青天井にもなるわ。」
「え?良子また自己ベスト更新?」
「そう言うセツ菜こそ良い記録出してるじゃん?」
「つよし?一兵君?私達を見習いなさいよ?」
「あのな良子?体力検定に向けて鍛練して来たけど、ここ2、3年はほとんど変化なし。それでも平均よりは上だぜ?」
「つよしは体力面でもトップofトップじゃなかったの?」
「入学した時はそう言う気概だったけど、二十歳を過ぎてからは酒にタバコを覚えてしまってな。」
「一兵もだよ?」
「俺が山川に酒とタバコ教えたんが悪かったんかな?」
「医師の不養生に成り兼ねないわよ?二人とも?」
「気を付けます。」
「右に同じ。」
「私が本数制限しようか?」
「良子やめてくれよ?実家の母ちゃんじゃねーんだから?」
「朝昼晩1本!これを守れるならタバコの自己管理を許可する。」
「一兵もだよ?」
「1日3本か、厳しいな?」
「まぁ、それで手打ちとしますか?」
「三日坊主の予感…。」
「おい!一兵どうすんだよ?1日3本なんて禁煙に等しいぞ?」
「まぁ、とりあえずチャレンジして見ようよ?」
「1日半箱吸ってた奴に7割削減とは無理難題を。」
「その分筋トレとかしようよ?」
「そんな事でニコチンが摂取出来るか?」
「医官だから体力的に劣っても良いと言うのは確かに詭弁だけどタバコがもたらすストレス緩和効果は確かにある。」
「良子さんは山川の健康面を心配しているんだよ?」
「まずは明日からチャレンジして見ようよ?」
「仕方ねーな。やってみっか。」
「一週間継続出来たらタバコ一箱プレゼントしてやるよ?」
「そんなに自信あんのかよ?」
「俺もやるし。」
「仮に違反した場合は1㎞ランニングのペナルティ。」
「ありがとう一兵君。これでつよしの馬鹿もちょっとはニコチン中毒から解放されると良いんだけど。」
それから一週間…。
タバコの本数軽減プロジェクトは成功し、ペナルティは一度もなく、行けたが完全な禁煙は、少し無理難題であった。とは言え、タバコ代も削減出来て、山川のお財布も少しは余裕ができたと感じている。
「山川家はおこづかい制度だもんな?」
「マウント完全に良子にとられてんよ。」
「ま、経済的にはこのプロジェクトは大貢献。」
「山川、普段は酒飲まないから作戦成功じゃん?」
「まぁ、本当につよしはお金にダラしないからね。削減出来る所はまだまだあります。」
「良子、勘弁してよ?」
「駄目です。家は金海家とは違い経済的に余裕ないんだからね?」
「クラスヘッドも鬼嫁には敵わないな(笑)。」




