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1年次体力検定

 自衛隊では個人の能力を測る指標の一つとして、体力検定を定期的に行っている。防衛医科大学校でもそれは同じである。内容としては、3000メートル走、懸垂、ボール投げ、走幅跳び等がある。

 「あーあ。憂鬱だわ。」

 「何言ってるの?セツ菜は3000メートル走のタイム1年生女子の中で一番良いじゃない?」

 「目標の小梅寮長の佐門さんのタイムより一分も遅いのよ?」

 「私なんて1年生女子の中で20人中18位だったのに、全然憂鬱じゃないよ?」

 「懸垂もボール投げも走幅跳びも全部一位だもんね。」

 「これで良子に持久力がついたらもう敵無しね。」

 「総合ランキングも良子には負けてるし。」

 一方、1年生男子は一兵が3000メートル一位で、山川が三位、総合ランキングでも山川と一兵が一位と二位を争った。結局一位は僅差で一兵が一位だった。

 「流石アメフト部の次期エース。負けたよ。」

 「つーか、山川てめぇ本気出して無いだろ?」

 「ばれたか。」

 「体力検定の結果は給与にも反映されるんだぞ?」

 「てか、俺達学生じゃん?給与に反映されるのは階級を貰ってからじゃね?」

 「つーか丸道先輩マジムカつく。」

 「何かあったんか山川?」

 「同じラインバッカーの仲良しコンビじゃなかったのか?」

 「知らんけど、パワハラ始めよってな。ロッカーの中荒らされるわ、まぁその程度の事ならまだしも、丸道の奴良子に手出ししょった。」

 「アメフト部辞めようかな。」

 「オイオイオイオイ。ちょっと待て。それ本当に丸道先輩の仕業なんか?」

 「俺の成長が気に食わんのじゃろ?けどな良子に手出しして来るのはNGだ。黙ってはおけん。」

 「良子さん、そうなの?」

 「私は100%無理ですと言ってるんだけどね?丸道先輩しつこくて…。」

 「って事らしいんすよ。上山先輩。同期のよしみでしっかりケジメつけさせてやって下さいよ?」

 「丸道?お前後輩にバワハラしてその彼女にまで手を出すとは、どういうつもりだ?」

 「最近、山川がめっちゃ上達してきて、スタメン取られるかもって思ったらイラッとして、手出ししてもうた。すまん。次やったら退学する。」

 「言ったな。アメフト部員全員が聞いてたからな。良子にも謝って下さいよ。」

 「すまん。」

 「良子、今回は許してやるか?」

 「うん。」

 「今回は、良子に免じて許します。」

 「ったく、馬鹿野郎。体力検定も山川や一兵に負けてんじゃねーか?しっかりしろよ丸道?」

 「今後部内でハラスメント行為が確認された場合当該加害者は強制退部とする。」

 「尚、丸道は二ヶ月の停部とする。いいな?」

 「はい。」

 「馬場先輩(部長)助かりました。」

 「こんな御時世だからな。これからも頼むぞ。尾崎、山川。」

 「はい。」

 こうして山川へのバワハラは無くなり、良子へのセクハラも無くなった。

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