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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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小梅寮長交代式FINAL

 桜寮で盛大に寮長交代式が行われた翌日、女子学生専用寮の小梅寮でも寮長交代式が行われた。次期小梅寮長は看護学科の3年早坂くるみであった。医学科ではない者が小梅寮長に選出されるのは、極めて異例の事であった。

 「良子先輩!1年間お疲れ様でした。」

 「くるみちゃんが次期小梅寮長なら、私も安心だわ。あ、そうそう。これ引き継ぎノート。」

 「引き継ぎノートですか?」

 「歴代の小梅寮長者のアドバイスや心構え等の小梅寮長者になるにあたって必要な事が書いてあるわ。」

 「ありがとうございます。」

 「ま、私はまだ卒業って訳じゃないし、直接聞きに来てもらっても構わないんだけどね。」

 「は、はい。」

 「え?くるみちゃん緊張しているの?」

 「こう言う場所慣れてないので…。」

 「小梅寮の乙女は80人だけど、校則にしっかり従い副寮長や書記と共にしっかり1年間任期を務めあげて下さい。」

 「はい!」

 「私の方からは以上だけど、何か質問のある人は挙手して下さい。」

 「はい!」

 「え?セツ菜?」

 「学業も訓練も恋も全部100%で頑張ってね!てへ?」

 「はいっ!」

 「良子先輩、以上で小梅寮長交代式を終わります。」

 「異議はないわ。」

 「では解散!」

 「へぇ、吉永の彼女が次期小梅寮長か?よっぽど成績良かったんだろうな?」

 「医学科は何しているんだよ?」

 「さぁね。その辺りの人事については私は何も知らないわ。」

 「ま、くるみちゃんなら俺達も安心だわ。」

 「でも、看護学科の4年生と言えば医学科の6年生に相当するだろ?看護師国家試験も控えているだろうし、相当な負担があると思うのだが?」

 「ま、その辺は桜寮長より規模が小さいし、大丈夫なんじゃない?」

 「あのね?つよし、小梅寮長は第1大隊中隊長も兼ねるのよ?訓練でも座学でも1秒たりとも緊張を緩められ無いんだからね。」

 「俺が第1大隊長だった時はそんな事無かったけどな?」

 「ま、人それぞれなんじゃない?スタイルや感じ方も違うだろうし。」

 「一兵、ナイスアシスト!」

 「それよりちゃんと引き継ぎ出来たのか?引き継ぎノート渡して、はい終わりなんて事はして無いよな?」

 「ギクッ、ノートに書いてあるのが全てなのよ?」

 「まぁ、もう後の祭りだけどな。」

 「どうせ私は月並みの寮長でしたよ。」

 「良子?そんな事ないわよ?良子は立派な小梅寮長だったよ?」

 「セツ菜!?」

 「私は副寮長としてこの1年間小梅寮幹部を務めたけど良子のリーダーシップがなければ、私達何も出来なかったよ?」

 「良かったな。優秀な部下がいて。桜寮にも一兵や吉永と言った素晴らしく仕事の出来る控えプレイヤーがいたから俺は安心して王座に座り続けられたんだ。」

 「つよし、本気でそんな事思っているの?」

 「リーダーってのはさ、誰かを引っ張るんじゃなくて、誰かに支えられて行くものでもある。決して俺が優秀なリーダーだったとは微塵も思ってはいない。その穴を俺は一兵や吉永に埋めて貰ってた。見た目には分からないけど。と俺は理解している。」

 「夫婦は似るものなのね。」

 「私も決して良いリーダーではなかった。セツ菜や書記の子に支えられて小梅寮長と言う大役を果たせた。」

 「今頃、吉永の奴ビックリして口から胃が飛び出しそうな思いをしているんじゃないかな。」

 「何故って?だってあの小心者の早坂くるみちゃんが小梅寮長だぜ?それはビックリするって。」

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