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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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桜寮長交代式FINAL

 一兵達にとって最後となる桜寮長交代式の季節がやって来た。次期桜寮長兼第1大隊長はアメフト部の後輩で山ノ井武士(やまのいたけし)に成る事が既に内定していた。

 だが、直前まで一兵や山川には知らされていなかった。と、まぁそんな事はどうでも良くて、山ノ井なら安心して桜寮長を任せられそうだ。

 「山ノ井?皆の事任せたぞ!」

 「はい!」

 それ以上の言葉は必要無かった。アメフト部からの桜寮長になったのは、山ノ井を含めて4人。3年連続と言うのは初であった。

 寮長交代式とは名ばかりで、いつも10分程で式は終わり、幹部の引き継ぎに移る。元寮長、元副寮長、元書記の3名が、次期幹部に任務(外出・外泊管理の方法)や、日々の日朝・日夕点呼のやり方を伝える。それが終わると一問一答形式で3年生が4年生に分からない事を聞く。これでようやく引き継ぎは終わる。

 「吉永?何泣いてんだよ?」

 「いや、これで俺の防衛医科大学校でのイベントも卒業式だけかと思うと、無性に泣けてきてよ。」

 「4年間頑張ったな。お疲れ様。で、国家試験の方は?」

 「楽勝よ。4月からはとりあえず陸上自衛隊の幹部候補生学校に進む。」

 「何だ。結局陸上自衛隊にしたんだ?」

 「悩む隙間も無く陸上自衛隊。」

 「そっか。で、くるみちゃんとはどうなったの?」

 「しばらく会ってなかったんだ。国家試験集中する為に。」

 「で、フラれたと?」

 「いやいやいや。LINEは欠かさなかったし大丈夫なはず。」

 「女心と秋の空って言うだろ?」

 「明日の小梅寮長交代式が終わったら食事行く約束はしているんだけどね。」

 「ちゃんと根回ししてるじゃん?」

 「結婚したら?」

 「まだ早いだろ?」

 「誰かに取られるぞ?」

 「大体、山川達が早いんだよ?ベテラン自衛官の貫禄出しているけど?」

 「ま、とにかく書記が吉永で良かったよ。」

 「それは俺も思う。吉永、ありがとうな!」

 「何だか照れ臭いな。」

 「荷物どうするの?」

 「教科書以外は下着と入浴セットだけたから。」

 「それは身軽だ。」

 「私服の吉永なんて見た事無かったしな。確かに。」

 「くるみにもよく言われるけど、俺物欲無いんだ。学生手当ては貯蓄と実家に仕送り。」

 「学生の鏡だな。」

 「じゃあ、俺そろそろ行くわ。」

 「どこに?」

 「風呂だよ!」

 「懐かしいな桜寮の大浴場。」

 「一兵?俺らも今日はこっちの風呂入るか?」

 「そうしなよ。」

 「急いで入浴セット取ってくるわ。行くぞ山川!」

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