4年次並木祭⑤
と、まぁゴタゴタした4年次の並木祭となったが、各員の努力のお陰で無事成功に終わった。トラブルや事故も無く1800~2030まで食堂で行われる並木祭実行委員会の打ち上げパーティには総員100名を越す並木祭実行委員が、参加予定であった。勿論、参加不参加は個人の自由である。
「山川急ごう!」
「こんなに売り上げあるなんて想定外だぜ。」
「手を動かせ。手を。」
「模擬店の総売上250万7500円。誤差なし!」
「ライヴチケット売上350万2500円。計601万円誤差なし。承認。」
「一兵、売上金は金庫にしまっておくぞ?」
「おう。」
「一兵?俺シャワー浴びてから行くわ。」
「了解。」
「しかし、凄いな。売上去年の6倍くらいあるぜ?」
「@NDMC123のXアカウントのお陰だな。」
「エグい数だよな。確かに。一兵、俺達も食堂に急ごう。」
「1750か。食堂までダッシュ…しなくても良いか。」
「一兵!」
「セツ菜?何だか久しぶりにあった感じがする。」
「今日はお互い持ち場が全然違かったもんね?」
「一兵君?うちの馬鹿夫はどこ?」
「軽くシャワー浴びてから来るって。」
「つよしが来なきゃ打ち上げパーティ始まらないって仕組み、あいつ理解してるのかしら?」
「大丈夫。山川は時間にルーズじゃないから。」
バタン「っし!1759間に合ったぜ!」
「心配は要らなかったわね。」
「よーし。メンバー揃ったかな?グラスの準備始めて。」
「今日は1日お疲れ様でした。超絶忙しかったと思うけど、本当お疲れ様でした!乾杯!」
「乾杯。」
「つよし?」
「おう。良子久しぶりだな?」
「DJの件は本当助かったわ。ありがとう。」
「お陰で並木祭実行委員会本部はてんてこまいだったんだぞ?なぁ、吉永?」
「これだけの混み具合だったろ?トイレも交代で、昼飯抜いたんだからな?」
「学生DJは今年で終わりだからさ。」
「そうね。後輩には別の盛り上げ方を提案しないとね?」
「SNS見ろよ!山川の学生DJ大バズりしてるぞ?」
「駄目じゃん。アーティストより目立っちゃ。」
「フォロワー1000万人行ったよ?どうする山川?」
「このアカウントは無かった事にするか?」
「まぁ、最初は遊びだったけど今は防衛医科大学校の立派なインフルエンサーだよ。無くすのは反対。」
「このアカウントで防衛医科大学校の事をもっと世の中の人に知って貰うチャンスなんじゃないか?」
「そりゃあ良い…川下一曹!?」
「Xの事は詳しくないけれど、お前達59期生の活動の産物として、後輩に残してやれよ?」
「そんな大したものじゃないっすよ。所詮SNS ですから。」
「つよしの割にはドライな回答ね。」
「自分達がどうあがいても、防衛医科大学校の定員が増えたりはしませんから。それに売上は目的額に達していますし。言ってみればCMみたいなものですよ。」
「だがこのフォロワー1000万人と言うのは、そう言う物を超越しているんじゃないか?」
「超越?」
「良いね数を見てみろ?」
「5、500万!?」
「ま、最後の並木祭しっかりやり遂げられて終わったんだし。良かったんじゃないか?」
「そうですよね!良かった、良かった。」
「一兵…。」




