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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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4年次並木祭④

 そして並木祭当日。ビラ配りやSNS作戦が功を奏したのか、防衛医科大学校には朝早くから大行列が出来ていた。しまいには整理券を配布する盛況ぶりであった。

 「たかだか防衛医科大学校の並木祭だぜ?」

 「それを言ったら元も子もねぇだろ?」

 「SNSの力なめてたわ。」

 「じゃあ、一兵本部の指揮は任せた。」

 「了解。」

 「ライヴ班に合流しリハーサル行ってくるわ!」

 「前日の夜に依頼されて普通無理だろ?」

 「いろんな意味で山川は化け物だからな。そう言う一兵も本部にいるのは退屈なんじゃない?」

 「並木祭の酸いも甘いも知り尽くしてるからこそ、山川は俺にバトンを渡したんだ。」

 「ああ、今年もくるみと並木祭回りたかったな…。」

 「つーか結婚しないの?」

 「俺達言ってもまだ学生じゃん?」

 「まぁ、看護学科は4年しかないからな。医学科の様には行かないよな。」

 「間違えて妊娠させたらくるみが大変じゃん?」

 「結婚・出産を控える気持ちは分からなくもないけどね。」

 「こう言うのってタイミングが肝心じゃん?」

 「ああ、そうだな。吉永は今、看護師国家資格をとるその一点に集中しているから、己の欲にセーブをかけてるって事だな。決してくるみちゃんとドライになってピンチって事ではないよな?」

 「うん。でもくるみの気持ちがドライになる事を物凄く懸念している。」

 「信じてやれよ?」

 「そりゃあ信じているよ?でもくるみモテモテだからさ。心配している。」

 「そうなの?」

 「防衛医科大学校も防衛大学校も男女共学化して30年以上経ってるけど、未だ男社会で、圧倒的に男子学生の方が多いからな。」

 「それはそうだけど、吉永とくるみちゃんが付き合っているってのは、もう既成事実な訳で、下手を犯せば先輩吉永の逆鱗に触れる事は分かりきっているよな?」

 「俺にそんな威厳あると思うか?」

 「そう言われると困るけど…。」

 「だろ?先輩の威厳なんて俺には無いんだよ。」

 ブーブー。「並木祭実行委員会本部応答願う。」

 「こちら並木祭実行委員会本部。」

 「ライヴ観客入場を30分早く入場されたし。」

 「本部よりライヴ班。可能か?」

 「こちらライヴチーム。いつでもどうぞ!」

 「本部了解。時間前入場を認める。」

 「見ろよ!一兵。正門前凄い事になってんぞ?」

 「マジか?しょうがねーな。開始時刻45分前だが正門前の群衆事故を防ぐ為、0815に開門する。各局委員につぐ。開門時間を早められたし。」

 「了解。つーか何でこんなに人がいるんだ?」

 「ま、嬉しい悲鳴じゃねーか?」

 「水野教官!?」

 「並木祭目当ての客で通行に支障が出る為のやむを得ない措置か?」

 「はい。」

 「模擬店は間に合うのか?客が雪崩れ込むぞ?」

 「導線を変え先ずは医学科研究発表及び看護学科研究発表を先行公開し、0900より移動制限を解除する予定です。」

 「良い判断だ。キャンパス内部の重要施設にも並木祭実行委員を配置し、警備を強化しろ!」

 「戦場かよ?こっちはいつでもOK何だけどね。」

 「正門前の人員整理にも人を割け。2、3年生中心に、歩行者の安全を確保しろ!」

 「了解。」

 「こんなの防衛医科大学校始まって以来の珍事だな。」

 「Xで、色々と公開しちゃったからな。マニアじゃなくても来たくなる投稿しちゃったもんな。フォロワー数は250万人。後には引けない。各局員気を抜くな!」

 「やっとこ一兵もスイッチ入ったか?」

 「一兵!」

 「セツ菜?ボサッとするな。もうすぐアーティストの方が楽屋入りするぞ!」

 「分かってるわよ。」

 「さぁ、さぁ、もっと来い、もっとバズれ。」

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